国道の略称 なぜ122号は「ワンツーツー」!? 英語読みの呼び名に「埼玉」独自ルールの謎
なぜ国道122号だけ英語読み「ワンツーツー」なの?
そのなかでも極めて特徴的な呼び方が、国道122号の「ワンツーツー」です。
呼んで字のごとく“122”を英数字に置き換えたものなのですが、他の通称がいずれも日本語なのに対し、英語読みなのが変わっています。

国道122号は、栃木県日光市を起点とし、足尾地方を経たのち群馬県桐生市・埼玉県加須市・さいたま市などを通って東京都豊島区に至る、総延長163.5kmの一般国道です。
埼玉県東部を縦走することから、沿線自治体にとって馴染みが深い国道で、場所によって銅街道(あかがねかいどう)、岩槻街道、北本通り(きたほんどおり)などの通称も持っています。
なお余談ですが、東京都内を始点とせず終点にしている国道は、この122号と139号(静岡県富士市から東京都西多摩郡奥多摩町)のみです。
しかしこの「ワンツーツー」も、主に国道122号沿いの埼玉県・群馬県・栃木県のみで普及しており、特に群馬県・埼玉県ではごく普通の通称になっています。
そのため122号を「ワンツーツー」と呼ぶか呼ばないかで、埼玉県民かどうかがわかる、という例え話もあります。
実はこれ以外にも英語読みは存在し、同じく埼玉県を通り、122号とも交差する国道125号(千葉県香取市から埼玉県熊谷市)も「ワンツーファイブ」と称することもあるようです。
これら「ワンツーツー」「ワンツーファイブ」など「国道数字の英語読み」の由来にはいくつかあるようですが、トラックドライバーが無線で使っていた様々な暗号(スラング)のひとつだったのではないか、という説が有力なように筆者(遠藤イヅル)は考えます。
しかしいずれにせよ自然発生的な呼び名だったようで、ルーツがどこから来ているのかはもはや探りようがなく、しかも他の国道ではあまり類例を見ないのも不思議なところです。
※ ※ ※
日本人は、いろいろな言葉を短くて親しみやすい通称や愛称に置き換えることが得意です。
たしかに国道254号(東京都文京区から長野県松本市)を例にとれば、「ニヒャクゴジュウヨン」よりも、「ツーファイブフォー」より、「ニーゴーヨン」が読みやすいのは確かです。
国道122号に関しても、「ヒャクニジュウニ」「イチニーニ」よりも、誰かが呼び始めた「ワンツーツー」のほうが響きも良く、多くの人が使うようになったのではないでしょうか。
なおトラックドライバーの間では、国道23号(愛知県豊橋市から三重県伊勢市、一部区間で「名四国道」とも呼ばれる)を「ツースリー」と称することがあるのだとか。
みなさんに馴染みがある国道は、どのような通称で呼ばれているでしょうか。
[編集部注記:2023年5月13日、誤記を修正しました]
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。
























