「憧れの車」ナンバーワンはトヨタ「ランドクルーザー」! なぜ世界中で「ランクル」人気続く? 流行りの「SUV」と異なる魅力とは
トヨタ「ランドクルーザー」は70年以上の歴史を誇る「本格クロカン」であり、指名買いされるほどの人気車種でもあります。なぜ昨今流行りの「クロスオーバーSUV」でないランドクルーザーが現在においても高い人気を保っているのでしょうか。海外で求められる理由とともに考えます。
「ライトSUV」とは一線を画す!「ランクル」人気なぜ続く?
2023年4月28日、カーリースなどを手掛ける株式会社ナイルが「キャンプに乗っていきたいクルマ」などについてのインターネット調査の結果を発表。その結果、「乗ってみたい憧れのクルマ」という項目において、第1位をトヨタの「ランドクルーザー」が獲得しました。
ランドクルーザーは、昨今トレンドとなっているコンパクトでエコな「クロスオーバーSUV」とは真逆といえる、重厚な基本構造をベースにした本格的な「クロスカントリービークル(クロカン)」で、卓越した悪路走破性と圧倒的な耐久性を特徴としています。
今回の調査結果のように日本はもちろん、世界でも絶大な人気を誇るランドクルーザーですが、あえて指名され選ばれる魅力とはどのようなところにあるのでしょうか。
日本を代表するクロカンであるランドクルーザーの歴史は、1951年に警察予備隊(現在の陸上自衛隊)用に開発された車両「ジープBJ型」からスタートします。
その後、ジープBJ型は1953年頃に民生用としても販売されますが、車名の「ジープ」が商品登録されていたことから1954年に“ランドクルーザー”へと車名を変更。より民間向けのモデルとして1955年には2代目の「20系」に進化し、現在のランドクルーザーシリーズへと繋がります。
そんな長い歴史と数多くの派生車両を持つランドクルーザーですが、海外市場とくに中東やオーストラリアでの需要が高く、生産されたランドクルーザーの大半がそのような地域に向けて輸出されています。
日本では高級車や趣味のクルマとして認識されがちなランドクルーザーですが、じつは海外ではかなり事情が違います。
主要な市場である海外では、ランドクルーザーでなければ走れないような激しく荒れた道が多く存在し、さらに地下1500m以下にある坑道や標高3500mの急斜面にある畑、兵庫県よりも広い農地などを移動する必要があります。
そんな極限の環境では、もしもクルマが故障してしまうと最悪の場合には死に繋がりかねません。
こうした世界では快適装備やデザインなどはクルマの選択基準としては二の次。圧倒的な悪路走破性と耐久性を持ち「生きて帰ってこられる」ことが最優先となるため、ランドクルーザーは生きるための必需品という位置に存在しているのです。
もちろんランドクルーザーも工業製品であり、故障や不具合の発生する可能性はゼロではありません。
しかし、1951年の初代登場から70年以上にも渡る歴史と、1000万台を超える累計販売台数によって、ランドクルーザーは「過酷な環境下でも命を預けられる数少ないクルマ」という絶大な信頼を獲得しているのです。
ランドクルーザーについて、過去にトヨタは次のようにコメントしています。
「ランドクルーザーは世界各地で人の命や暮らしを支え、より豊かな人生を実現する存在として『どこへでも行き、生きて帰ってこられること』を使命としてきました」
また、今後もその信頼の本質といえる「信頼性・耐久性・悪路走破性」を、世界での使用実態に基づいて鍛え上げていくとも発表しています。
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一方、日本ではランドクルーザーでければ走り抜けられないような過酷な道路環境は少ないかもしれず、過剰な性能と感じる人もいるかもしれません。
しかし、厳しい気象条件や環境下で使用する海外ユーザーからの絶対的な信頼と耐久性に対する高い評価は、国内でも長く使い続けることが出来る安心感につながり、また日本国内での人気となっているのではないでしょうか。
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