トヨタが「幼児置き去り」の防止に取り組む! 「開発は早急に…」製品化の経緯は? 日産も順次展開で「事故減少」に貢献へ

昨今、幼稚園や保育園などの送迎バスに幼児が取り残されて死亡するという痛ましい事故が発生しています。その結果、国土交通省はガイドラインを制定・施行しました。中でも2022年の事故翌日から開発が始まったというトヨタの「幼児置き去り防止装置」はどのような経緯で誕生したのでしょうか。

トヨタが事故翌日から早急に開発を進めた「置き去り防止装置」とは

 2021年、2022年と立て続けて送迎バス内に幼児が取り残され死亡するという痛ましい事故が起きました。
 
 このような背景もあり、トヨタや日産が「置き去り防止装置」を相次いで発売しました。今回は、2023年の事故発生の翌日から開発が始まったというトヨタの開発経緯を伺いました。

「痛ましい事故を減らしたい…」 事故の翌日から開発が進められたトヨタの「送迎バス置き去り防止装置」とはどのようなものなのか?
「痛ましい事故を減らしたい…」 事故の翌日から開発が進められたトヨタの「送迎バス置き去り防止装置」とはどのようなものなのか?

 2022年12月20日に国土交通省自動車局技術・環境政策課/同車両基準・国際課は「送迎用バスの置き去り防止を支援する装置のガイドライン」が発表しました。

 そして、2023年4月1日より幼稚園バスなどの置き去り防止安全装置の装備義務化が施行され、トヨタや日産が「車内置き去り防止支援システム」を相次いで発表されています。

 トヨタは2023年2月28日に発表し、4月6日より販売が始まっています。日産では同年3月17日に発表し、6月より順次発売する予定です。
 
 置き去り防止装置は自動車関連企業に関わらず、様々な企業が商品化を進めてきました。

 これらの商品は、運用実態や装置の開発状況などを踏まえヒューマンエラーを補完する装置として、「降車時確認式」(押しボタン式など)、「自動検知式」の2種類の装置について以下の要件が公開されています。

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 ・運転者等が車内の確認を怠った場合等には、速やかに車内への警報を行い、15分以内に車外への警報を発すること(※自動検知式においては15分以内にセンサーの作動を開始)
 ・こどもがいたずらできない高い位置に警報を停止する装置を設置
 ・30~65度への耐温性、耐震性、防水・防塵性等十分な耐久性を有すること
 ・装置が故障・電源喪失した場合には、運転者等に対してアラーム等で故障を通知
—–

 そうした中で自動車メーカーとしていち早く、「車内置き去り防止支援システム」を発売したトヨタのシステムは販売店装着の純正用品として「コースター(幼児専用車)」、「ハイエース(幼児バス)」に設定され、使用手順は以下のとおりです。

—–
 1)
 点検前に置き去り防止装置が「正常に働いているか?」を確認。装置についているLEDが緑なら正常。赤ならば異常状態であることを示している。その後、目的地についてエンジンオフと同時に「車内を点検し、全員が降車したことを確認してから車内後方のボタンを押してください」とのアナウンスが車内に流れて、子どもたちの降車が始まる。 

 2)
 装置のLEDが緑になっていることを確認したら車内の確認を始める。誰もいないことを確認して車内最後尾に設置した降車確認ボタンを押すと音声案内は停止する。

 3)音声案内開始から「4分間」経過しても降車確認ボタンが押されない場合、ホーンの吹鳴とハザードランプの点滅で車外へ警報開始。
—–

 なお、前述の手順を経ても、何らかの理由で幼児などが置き去りにされてしまった場合の「命綱」となるのが「ここだよボタン」というものです。

 子ども自身がこのボタンを押すと、警報が鳴り、ハザードランプが点滅し、ドアロックが自動的に解除されます。

 これにより外部からでも異常に気付くことが可能で、さらにドアロックが解除されるので外部からの救出も容易になります。

 では、実際にはどのような状態で周囲に警報を発するのでしょうか。2023年4月半ばに置き去り防止装置のデモンストレーションがトヨタの東京にある拠点にて行われました。

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1件のコメント

  1. なるほど。きちんと車内を確認しないと周辺に騒音を撒き散らして確認せざるを得なくするということですね。これなら幾ら出鱈目な保育所でも周辺からのクレームでいい加減な業務をできなくなりますね。

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