「GRスープラ GT4」がめちゃ凄かった! 特別なマシンを体感! 感激する魅力はいかに【試乗】

2020年より市販を開始し、すでに世界で数々の勝利を収めてきたトヨタのレーシングマシン「GRスープラ GT4」を試乗しました。サーキットでの走りは、むしろベース車よりも乗りやすいほどだといいます。

最高出力を430psまでアップし「買ってそのまま参戦できる」マシンに

 トヨタのスーパースポーツカー「GRスープラ」をベースにしたレーシングカー「GRスープラ GT4」は、GT4選手権やスーパー耐久シリーズに「買ってそのまま参戦できる」というものです。
 
 既に世界で優勝実績を重ね続けるGRスープラ GT4に、サーキットで試乗する機会を得ました。

市販「レーシングマシン」でサーキットを攻める! トヨタ「GRスープラ GT4」
市販「レーシングマシン」でサーキットを攻める! トヨタ「GRスープラ GT4」

 量産車をベースにしたモータースポーツの最高陣と言えば「GT3」です。元々はアマチュアドライバー向けのカテゴリーとして生まれましたが、年々高性能化、高コスト化、そしてプロ化が進み、当初の目論見とは異なる状況になってしまったのも事実です。

 そこで生まれたのが「GT4」です。量産車ベースと言う部分ではGT3と同じながらも、「市販車との共通部分が多い」、「改造範囲がより限定的」、「マシン費用が安価」、「メンテナンス/ランニングコストが抑えられる」といった特徴を持っており、現在様々な自動車メーカーがマシンを開発しています。

 その中の1台が、今回紹介するGRスープラ GT4です。

 GRスープラは2019年に登場し、BMWとの共同開発が話題となりましたが、開発段階から本格的なモータースポーツへの参加、サーキット走行などを念頭に入れた開発が行なわれています。

 実は市販モデルの登場の1年前となる2018年3月のジュネーブショーで、レーシングモデルのコンセプトをお披露目しましたが、ここにヒントがありました。

 開発責任者(当時)の多田哲哉氏は「これまで量産車からレーシングカーに仕立てる際に『量産車の段階でこうしておけばよかった』と後悔することばかりでしたが、先にレーシングカーを仕立てることで、量産車にもいいフィードバックができる」と語っていました。

 TOYOTA GAZOO Racingの「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」をいち早く取り入れたモデルであり、その素性が色濃く活きているのがGRスープラ GT4と言うわけです。

 ではどのようなマシンなのか、解説していきましょう。

 エクステリアは、フロントスプリッター/リアウイングなどの空力パーツ、冷却用ダクトが追加されていますが、基本的には形状は量産車と同じです。

 それに加えて、軽量化のためにウィンドウをガラスからポリカーボネイト化し、安全対策のために燃料タンクが専用品に変更されています。

 GRスープラ GT4のインテリアは、軽量化と難燃性のためレースに不必要なアイテムは取り外され、安全対策のためにロールケージが組み込まれています。

 インパネ形状に量産モデルの面影が僅かに残るも、ステアリングやメーター、各種スイッチ類はほぼ専用設計となっています。

 エンジンは量産車と同じ3リッター直列6気筒ターボ(B58型)で、専用ECU/専用エキゾースト(標準の2本出しから1本出しへ変更)の採用により、ベース車の387ps/500Nmから、430ps/650Nmに出力アップ。

 トランスミッションも、量産車と同じAT(8HP)が搭載されていますが、規定に合わせて7速までの使用となっています。Dレンジはなくパドルでマニュアル操作のみです。

 サスペンションは、形式はもちろんジオメトリーまで量産車と同じですが、レース用サスペンション(KW製:車高&減衰力調整式)、ブッシュ類(ゴム製からピロボール化)が変更されています。もちろん、ブレーキも大径化された専用品(ブレンボ製)が装備されています。

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