なんと2億円! 個人向け「空飛ぶ車」発売! 一体どこで乗れる? 誰が買う? 「誰でも空を移動」は可能になるのか
スカイドライブが空飛ぶクルマの商用機「SD-05」の個人向け販売を2023年4月13日に開始しました。今後、具体的にどういった利用を想定しているのでしょうか。
スカイドライブが開発する「空飛ぶクルマ」とは
2023年4月13日、空飛ぶクルマを開発するスカイドライブ(愛知県豊田市)は、空飛ぶクルマの商用機「SD-05」の個人向け予約販売を開始したことを明らかにしました。
2025年大阪・関西万博での飛行を目指しているといいますが、具体的にどういった利用を想定しているのでしょうか。
空飛ぶクルマは明確な定義がないものの、「電動」「自律飛行」「垂直離着陸」の3つの機能が備わっていることがひとつのイメージとされています。
経済産業省製造産業局、国土交通省航空局が事務局の「空の移動革命に向けた官民協議会」(2018年)では、空飛ぶクルマの特徴として、電動であることから低コスト・低騒音で、飛行中はCO2(二酸化炭素)が排出ゼロに抑えられること、また将来的に操縦士不要が想定されており、自律飛行が可能になることで誰でも操縦可能になることを挙げています。
そして、垂直離着陸の機能により滑走路や舗装路などが不要となり、インフラ設備に左右されない自由な移動を実現すると説明しています。
現在、スカイドライブが2025年の事業化に向けて開発を進めるSD-05の現段階のスペックは、機体サイズ(プロペラを含む)が全長9.4m×全幅9.4m×全高2.7mで、搭乗人数は操縦士を含む最大2人。
12基のモータープロペラが搭載され、最大巡航速度(対気速度)は100km/h、実運用航続距離は5-10kmといいます。
今回、SD-05の個人向け予約販売が開始されましたが、1号機はホンダジェットの日本1号オーナーでもあり、パイロット免許を持つ千葉功太郎氏が予約購入したといいます。
今回の個人向け販売について、福澤知浩CEOは以下のようにコメントしています。
「SD-05の発表後、個人の方からも、お問い合わせを多数いただいていました。
『日常の移動に空を活用する』未来の実現を目指している我々にとって、個人の方が気軽に機体を保有したり、レンタルしたり、サービスとして乗車してもらうことを目指す中で、今回、機体の個人向け販売を開始させていただきます」
個人からも購入の問い合わせが多かったといい、個人向けに予約販売を開始したといいます。なお、価格は約2億円といいます。
このほか、2022年11月には、ベトナムの深刻な交通渋滞を解消すべく同国のディベロッパー・パシフィックグループと契約を結んでおり、最大100機のプレオーダーを受けています。
さらに、2023年4月18日には大豊産業(香川県高松市)ともプレオーダーを契約。
大豊産業は、制御・計装機器の販売や保守、電気・通信・土木工事を行うほか、最近では畜産業界に向けた自動走行・監視ロボットを自社開発するなど、新規分野への投資を積極的に行っています。
同社は香川県や愛媛県をはじめとして四国の移動課題解決や地域活性化の目的として、購入の予約申し込みをしたといい、この締結について、福澤CEOは以下のようにコメントしています。
「2025年大阪・関西万博を契機に事業化が開始する空飛ぶクルマですが、国内で最も運航に適しているのは大阪湾にもつながる瀬戸内近郊です。
年中温暖で比較的風も弱く、天気に恵まれています。そして香川には離島への観光や、本島と離島の生活移動手段としての利用方法が考えられます。
愛媛県をはじめとした瀬戸内地域は海を囲む形で、移動に時間がかかるという課題もあり、様々な利用方法の可能性があると考えています」
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なお、今回スカイドライブに問い合わせたところ、担当者は「開発が佳境のため、個別でのご取材対応が難しい状況でございます」と説明しており、今回締結が明らかとなっている顧客のほか、現在の受注状況、将来活用可能になる具体的なエリアに関して回答は得られませんでした。
2025年の事業開始に向け、開発が進められるSD-05は、今後ますます注目が高まりそうです。
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