もったいない! 日産極小SUV「マグナイト」なぜ売らぬ!? 日本導入なら大ヒットの可能性も?
全長4m以下のコンパクトSUV、ダイハツ「ロッキー」/トヨタ「ライズ」は、非常に好調な販売を続けています。ライバル不在といえる状況下ですが、日産はドンピシャな対抗馬となる「マグナイト」を海外向けに用意していました。
日本で販売していないのが不思議なくらい「ドンピシャ」にハマってる!
数ある国産SUVのなかにおいて好調な売れ行きを維持している全長4m以下のコンパクトSUVが、ダイハツ「ロッキー」/トヨタ「ライズ」です。
現在、国内にはライバル不在のロッキー/ライズですが、実は日産の海外市場専売モデルには最適なコンパクトSUV「MAGNITE(マグナイト)」があります。
デビューは2019年11月と既に3年が経過しながらも、人気を維持しているロッキー/ライズ。ライズは月5000台、ロッキーも月2000台ほどが売れ続けています。
コンパクトなボディに詰め込まれたSUVらしさがカッコ・カワイイことに加え、ライバルが他にいないことも人気の理由として挙げられます。
5ナンバーサイズのSUV風コンパクトだと、スズキ「クロスビー」や「ジムニーシエラ」、ホンダ「フィット クロスター」、日産「ノート AUTECH クロスオーバー」などがありますが、コンパクトSUVと呼ぶにはやや中途半端で、ロッキー/ライズのライバルとしてはキャラクターが異なります。
その点でマグナイトは、真のライバルに相応しい内容です。
2021年よりインドで発売を開始したマグナイトは、国内向けに日産が用意するコンパクトSUV「キックス」よりもひと回り小さく、全長3994mm×全幅1758mm×全高1572mm、ホイールベースは2500mm。
全幅が1700mm以上あり、3ナンバーサイズにはなりますが、全長はロッキー/ライズ並みと非常にコンパクト。
また最小回転半径も5.0mと、ロッキー/ライズ(4.9m~5.0m)とほぼ同じですので、日本の狭い道にジャストサイズといえます。
デザインも、日本では見かけない独特のテイストです。
角型のLEDヘッドライトや、通常の日産車で見られる「Vモーショングリル」とは異なる6角形大型グリル、ヘッドライトから下に伸びる縦型LEDデイライトなど、小さいながら存在感ある外観デザインはなかなか個性的。
内装もアルミ加飾を多用した豪華なインテリア。大型ナビゲーションモニターなども実にスタイリッシュで、日本でも人気が出そうなデザインとなっています。
残念なのが、パワートレインにe-POWERがないことが挙げられます。
ラインナップは、1リッターのガソリンターボ車(100ps/160Nm)と、同じく1リッターの自然吸気ガソリン車(72ps/96Nm)の2種類です。どちらも前輪駆動で5速MTが基本ですが、ターボ車にはCVTの設定もあります。
燃費はおよそ20km/L程度(5速MT車の場合)とまずまず。車重が1000kg程度と軽めですので、ハンドリングは軽快であると考えられます。さらにターボ車なら、俊敏さも期待できそうです。
10年前までは、自動車市場としての有望度が最も高い国は中国でしたが、近年の中国は経済成長が鈍化した代わりに、インド市場が頭角を現してきていて、自動車保有率も上昇中です。
ただしインドの都心をちょっとでも離れれば、わだちやクレーターがいたるところにあるような荒れた道が続くため、車高があって、悪路の走破性の高いタフなSUVが人気となっています。
ちなみにインドは日本と同じく右ハンドル左側通行の国であるため、海外専用車とはいえ右ハンドルのマグナイトには余計に親近感がわくところです。
マグナイトのインドにおける現地価格は59万~110万ルピーで、日本円にするとおよそ96万から176万円となります。
ちなみにライズ(ガソリン車/FF)の国内での価格は171万7000円から204万9000円(消費税込み)で、かなり接近しています。
インドで製造され、国内や周辺国での販売を主な目的として開発されたクルマなので、この内容、この価格のまま日本へ導入することはできないかもしれません。
しかしキックスよりも安く、コンパクトで力強いデザインのマグナイトは、日本で販売していないのが不思議なくらい、ロッキー/ライズ対抗馬としてドンピシャにハマっています。
そのうえでもしe-POWERも搭載できれば、国内コンパクトSUV市場に大きな変化をもたらすこととなるでしょう。日本導入を期待したい1台といえます。
どうなんでしょう。そのサイズなら多くのユーザーは5ナンバーの車幅を求めるはずで、いうほどドンピシャにはハマってないような。。。