ボンネット「開く方向」”なぜ”車種によって違う? まさかの“横”に開くクルマもあった? 「後・前・横」異なる意味とは
なんと横開き式ボンネットもあった!?
ボンネットの開き方は、戦前のクルマのように、車体中央を境に左右が跳ね上がるタイプも見られますが、さすがに「横開き式」は無いだろう、と思われたかもしれません。
ところが、量産モデルでボンネットが横に開くクルマが存在しました。
その一例が、チェコ(旧チェコスロバキア)の自動車メーカーで、現在はフォルクスワーゲン傘下にある「シュコダ」が1976年に発表した「105/120」です。
ボンネットのヒンジが運転席側のフェンダーについており、まさしく横ヒンジ式でした。
ほかにあまり類を見ない構造なだけなく、このクルマはなんとリアエンジン車。つまりボンネット内にはエンジンが無く、トランクスペースになっているという変わり種でした。
最後に、前ヒンジ式の興味深い開き方を紹介しましょう。それが、現在は消滅してしまったスウェーデンの「サーブ」が作っていた初代「900」です。
ボンネットオープナーを引くとボンネットの前方が持ち上がるので、後ろヒンジ式と同様にロックを解除しますが、その後はそのまま手前に引っ張り、ボンネットを落とすように開きます。
つまり、「後ろヒンジかと思いきや、実は前ヒンジ」という変わった構造でした。初代900の場合、エンジンが前後逆向きに搭載されており、頻繁に整備を行うベルト類・補機類が運転席側に装着されていたため、前ヒンジのほうが整備をしやすいという事情がありました。
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パワートレインがモーターとなるEVでは、フロントボンネットの中は収納スペースということも多く、エンジン車よりは自由な設計が可能です。
今後、EVが増えていくと、これまでの常識を超えた面白いボンネットの開き方が見られるようになるかもしれません。
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