ドライブ中に車のトラブル発生! でも「車載工具」じゃ足りない!? 緊急用にあると便利な道具5選

近年は車載工具が簡素化され、いざというときに困ることがあります。最低限どのような道具があれば不測の事態に対応できるのでしょうか。

夜間や悪天候時でも作業できる道具があると便利

 以前は車載工具やスペアタイヤ(テンパータイヤ)などが標準で搭載されていましたが、現在のクルマではスペアタイヤをオプションで設定し、車載工具すら簡素化されることが多くなっており、いざというときに対応できる道具がないことがあります。
 
 そもそも車載工具は、トラブルが発生しなければ日の目を見ることもなく、取り出したことがない人も多いかもしれません。
 
 数ある道具や工具のなかから、いざというときに備え、最低限持っていると重宝する道具にはどのようなものがあるのでしょうか。

車載工具が簡素化した今、搭載しておきたい道具は何?
車載工具が簡素化した今、搭載しておきたい道具は何?

 神奈川県のH整備士いわく、バッテリー上がりやパンク、故障、単独事故などのときに使える道具を車載するのが良いそうです。いくつかピックアップしてもらいました。

●濡れても大丈夫なグローブ

「故障箇所によっては金属部品が密集した所に手を入れることもあり、素手は危険です。

 安価な軍手を車載している人もいますが、雨や雪では濡れてしまい、手がかじかんで使えないことがあるので、少し薄手で耐水性のあるグローブを常備しておくと良いと思います」

●作業用ひざ当て(マットでも可)

「クルマの不具合は下回りに近いところで発生しがちです。寝転がるような体勢で作業することもあり、硬いコンクリートやドロドロの泥地にひざをつけたり這いつくばることもあります。

 そのため、ひざへの衝撃をパッドなどが入ったひざ当てや、ヨガマットなどを車載しておくのがおすすめです」

●LEDライト

「エンジンルームや足回りなどの不具合が発生したときや夜間などでも役立つのが、消費電力が少なく明るさも十分なLEDライトです。

 できればクリップ付きと小型のものなど複数あると、ひとつは開けたボンネット、もうひとつはエンジンルームのさらに奥を照らすといった具合に使えます。

 ただし大型の強力なLEDは、サイズによっては銃刀法違反に該当する可能性もあり、手のひらサイズのものが好ましいでしょう」

●ブースターケーブル/ジャンプスターターも可

「クルマの不具合でもっとも多いのがバッテリー上がりです。定番ですがブースターケーブルは車載しておきたい道具のひとつです。

 また最近では『ジャンプスターター』と呼ばれる携帯型バッテリーもあり、これがあればケーブルもジャンプスタートで電力を分けてくれる救援車も不要。自分だけでもバッテリー上がりに対処できます」

●ホイールロックナットのアダプター

「ホイールの盗難防止対策として、複数あるナットのうちの1本をロックナットに交換した場合、パンクなどでタイヤ・ホイールを取り外す場合にアダプター(ソケット)が必要です。

 ホイールのロックナットは専用設計となっており、それに適合するアダプターがないとナットが外せないので、車載しておくと良いでしょう」

※ ※ ※

 クルマにはプラスドライバーやマイナスドライバーを使って取り付けるようなネジがなく、こういった工具は車載する必要はありません。

 なお、不用意に工具を車載していると、「銃刀法違反」や「ピッキング法違反」に該当してしまうことがあります。

 銃刀法違反では、一般的なハサミやカッターナイフなども該当。刃渡りが6cm未満の刃が内蔵された十徳ナイフなどキャンプ道具の一種でも、それ単体で車載するのはNGです。

 刃渡り6cm以上の包丁なども単品で車内にあると、その場で現行犯逮捕となります。

 またピッキング法では、先端部が平らで0.5cm以上の幅を持ち長さが15cm以上あるマイナスドライバーや、バールは使用箇所の幅が20cm以上で長さが24cmを超えると車載NG。「特定侵入用具」と判断されて現行犯逮捕されると、有罪判決では1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金という重い刑が科せられることもありうるのです。

 最近はDIYブームやキャンプブームで、こういった道具や工具をクルマに気軽に積みがちです。

 警察の判断基準が難しいところといえ、ほかのDIYグッズ、キャンプ用具も持っていた場合は問題ないようですが、明確な目的がなく単体で車載しているとかなり厳しく判断されるため、必要な道具以外は車載しないほうが賢明です。

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