軽自動車のナンバーなぜ右側? 普通車は左右中心なのに…真ん中だと不都合な「軽特有の事情」とは

軽自動車の前面に付いている黄色いナンバープレートは、多くの場合、中心ではなく特に右側にずれています。なぜ片寄った位置に取り付けられているのでしょうか。

エンジンルーム内の配置がプレート位置に影響

 軽自動車の前面に付いている黄色いナンバープレートは、普通車やバス・トラックのように取付け位置が左右真ん中ではなく、多くの場合、右側(向かって左の運転席側)に付いています。なぜ中心からずれているのでしょうか。

ホンダの軽乗用車「N-BOX」
ホンダの軽乗用車「N-BOX」

 ナンバープレートが中心からずれて付いている理由は、エンジンなどを効率良く冷やすためです。

 軽自動車のサイズは、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下と規格で決まっています。このため、エンジンルームも必然的に普通車よりも狭く設計されます。

 エンジンルームの奥行が限られているため、ラジエーターなどの補器類を設置する場所も制限を受けます。そのためラジエーターは、エンジンの前ではなく、トランスミッション側にずらして配置されることがほとんどです。

 ラジエーターはエンジンの熱で温まった冷却水を、走行風に当てることによって冷やしています。

 エンジンルーム内でこのラジエーターは、走行風を受けやすいようにフロントグリルのすぐ後ろに配置されるのが一般的ですが、スペースに制限のある軽自動車だとそう単純にはいきません。

 エンジンルームをコンパクトにまとめるために、エンジンはフロントグリルのギリギリまで場所を取ることになります。

 そのため、ラジエーターなどの冷却部品は、スペースの確保しやすい後方のトランスミッション側に配置することが一般的です。

 そしてラジエーターに走行風を当てるため、ナンバープレートは中心からずらして取り付けることになります。

 エンジンルーム内とラジエーターに走行風をしっかり当てるためには、ナンバープレートをエンジン側にずらして通風部を確保するのが合理的なのです。

【写真】ナンバープレートが片寄っている理由を図解写真で見る(12枚)

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