なぜスズキ「ジムニー」がお披露目された!? 限定50台の約687万円仕様ってナニ? 注目集まるタイ市場とは

2023年3月22日からタイの首都バンコクで開催されている「バンコク国際モーターショー」のスズキブースで「ジムニー」が限定発売されることがサプライズ発表として明かされました。

なぜジムニーがお披露目された? タイの事情とは

 スズキ「ジムニー」がタイ市場において、台数限定で販売されるといいます。

 それは、2023年3月22日からタイの首都バンコクで開催されている「バンコク国際モーターショー」のスズキブースでサプライズ発表として明かされました。

なぜいま「ジムニー(3ドア)」がお披露目された? そこにはタイならではの事情があった
なぜいま「ジムニー(3ドア)」がお披露目された? そこにはタイならではの事情があった

 それはジムニーがタイに向けて限定販売されるというのは2023年4月2日の22時までに申し込んだ人の中から抽選が行われ、わずか50人の幸運なオーナーが決まるのです。

 実は、現行モデルのジムニーがタイで販売されるのは今回が初めてではありません。

 現行モデルの日本発売翌年となる2019年の3月にはタイにて正式発表され、その際には先着90台のオンライン販売枠がわずか6日間で埋まりました。

 後述するように現地の価格は日本よりもかなり高いものですが、特別な仕様となる「リミテッド」はわずか3時間で限定30台が売り切れたとのこと。彼の地にも熱烈なジムニーファンがいるようです。

 4年ぶりとなる今回の販売台数は50台と前回よりもさらに狭き門。

 タイで販売される3ドアのジムニーは日本からの完成車輸出で、世界的なジムニー人気のうえに半導体不足などで生産台数が絞られているゆえの少量販売となります。

 スタイリングやエンジンは日本でいう「ジムニーシエラ」と同様で、大型バンパー&オーバーフェンダー付きのボディに排気量1.5リッター4気筒自然吸気エンジンを搭載。

 駆動方式はもちろん4WDですが、トランスミッションはMTが選べずATのみです。

 販売価格はモノトーンモデルが176万バーツ(約675万円)で、2トーンモデルが179万バーツ(約687万円)。

 日本での販売価格に比べるとかなり高いのは理由があります。

 物品税に加え、輸入車扱いなので車両価格の100%を超える高額な関税も含まれるからです。

タイのジムニーには「キーレスプッシュスタートシステム」が付いていないという
タイのジムニーには「キーレスプッシュスタートシステム」が付いていないという

 興味深いのが、日本仕様との違い。

 タイは日本同様に左側通行なので販売される車両のハンドル位置は右、そしてウインカーレバーもアジア向けの右ハンドル日本車の多くがそうであるようにISO規格には準拠せず日本同様にハンドルの右側ついています。

 ヘッドライトがLED(ヘッドライトウォッシャーも装備)であり、運転席まわりを見ると本革巻きステアリングやクルーズコントロールを備えることから装備内容は基本的に日本仕様の上級グレードに相当する「JC」であると考えられます。

 しかし、日本向けでは当然のように備わるあの機能がついていません。それは「キーレスプッシュスタートシステム」。

 つまりキーに触れることなくドアロック/アンロックができる非接触キーやプッシュ式スターターは非採用。

 コンベンショナルなリモコンキーとキーを指して回すシリンダー式スターター式スイッチの組み合わせとなるのです。

 タイのクルマ好きの間でもジムニーの知名度は高いのですが、アセアン圏外からの輸入車扱いなので高額な関税がかけられ、販売価格がかなり高いのが現状。

 さすがにこの価格では購入者が限られてしまうので、タイでのジムニー販売は少量ずつの限定販売とされているようです。

※ ※ ※

 一般公開に先立つプレスデーでは、記者発表が行われるまで新型ジムニーにはベールが掛かっていました。

 とはいえそのシルエットからジムニーであることは容易に推測できましたが、わざわざ隠してあるので筆者をはじめメディアの多くの人間が「5ドア」かと期待したのはここだけの内緒です。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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