なぜトヨタ「アルファード」はVIP需要が高いのか? 高級セダンよりも注目される「高級ミニバン」の謎 評価される部分とは
実質的にはLSの半額以下?アルファード最大の魅力はコストメリット
アルファード/ヴェルファイアには、前述したようなさまざまなメリットがあることはもちろんですが、ここまでエグゼクティブ層に受け入れられた最大の要因は、やはりコストメリットが高いことに尽きます。
ここでいうコストメリットには2つの意味があります。
ひとつは車両価格です。
アルファード/ヴェルファイアは、最上級グレードの「エグゼクティブラウンジS」でも775万2000円となっており、オプションなどを最大限追加したとしても、乗り出し価格が1000万円を超えることはまずありません。
一方、エグゼクティブ層が多く利用する高級セダンであるレクサス「LS」やメルセデス・ベンツ「Sクラス」はベースグレードでも1000万円を超え、グレードや仕様によっては1500万円を優に超えるものもあります。
もちろん、高級セダンには高級セダンの良さがありますが、簡単に手の届く価格とは言えません。
もうひとつは、リセールバリューの高さです。
アルファード/ヴェルファイアは驚異的なリセールバリューの高さを誇っており、特に新車の長納期化が著しい昨今では、中古車価格が新車価格を上回るという逆転現象も見られるようになっています。
法人車両は会計上のメリットがあることなどから、リースを利用することが一般的ですが、月々のリース料はリセールバリューの高さと大きく関係しています。
簡単に言えば、リセールバリューの高いモデルほど、月々のリース料を低く抑えることができます。
たとえば、大手リース会社で「契約期間5年」「月間予定走行距離1000km」という条件で見積もりをとると、LSのリース料は最低でも月額20万円程度、最上級グレードであれば月額30万円近くにおよびます。
一方、同じ条件でアルファードを見ると、最上級グレードの「エグゼクティブラウンジ」でもリース料は8万円程度です。
LSのベースグレードとアルファードの「エグゼクティブラウンジ」の価格差は300万円程度ですが、5年間リースをした場合の支払額は、LSが約1200万円であるのに対し、アルファードは約480万円程度とおよそ700万円もの差額が生じます。
この差は、アルファードとLSのリセールバリューの高さによるものです。
先行き不透明な世の中では、大企業であってもできる限りコストは削減したいものです。そのようななかで、コストメリットに優れるアルファード/ヴェルファイアは、実を取るエグゼクティブ層のハートをしっかりとつかんだと言えます。
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2023年3月現在、アルファード/ヴェルファイアは新規受注を停止しています。これはまもなくフルモデルチェンジが行なわれることが理由とされており、エグゼクティブ層も含めた多くのユーザーが新型モデルの登場に注目しています。
新型アルファード/ヴェルファイアに関する公式な情報はまだほとんどないものの、エグゼクティブ層向けの上級グレードが引き続き設定されることは確実視されています。
現行モデルから乗り換えるユーザーも相当数いると予想されており、発売後の争奪戦は必至と見られています。
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