ついに全面刷新!? ダイハツ新型「ムーヴ」本格ハイブリッド搭載で燃費30km/L超も? 次期型どうなる?

2023年に9年目を迎えるダイハツ「ムーヴ」ですが、新型モデルへのフルモデルチェンジにあたり、「eスマートハイブリッド」と呼ばれるストロングハイブリッドを搭載するようです。どのようなモデルに進化するのでしょうか。

長らく放置状態だった「ムーヴ」が全面刷新へ

 最近の新車市場でもっとも多く売れているのは軽自動車です。2022年には国内販売全体の39%を占めており、前年(2021年)の37%に比べて比率を増やしています。
 
 2022年に軽自動車比率が増えた理由は2つあります。まずは小型/普通車に比べて納期が短いことです。小型/普通車は、大半の納期が6か月以上で、なかには1年に達する車種もありますが、軽自動車は一部の例外を除くと6か月以内で納車されます。

全面刷新で「ムーヴ」にフルハイブリッド搭載か?
全面刷新で「ムーヴ」にフルハイブリッド搭載か?

 納期が短ければ、売れ行きを高く保ちやすいです。軽自動車はコスト低減のために特殊なパーツやメカニズムをあまり使わず、汎用性を重視するため、供給も滞りにくいのです。

 軽自動車が好調なもう1つの理由は、設計の新しい車種が多いことです。小型/普通車と違って、2016年以前に発売された軽自動車は少ないのですが、この背景にあるのは軽自動車の薄利多売です。

 車種の数を抑えながら大量に売る必要があり、新しいエンジンやプラットフォームが開発されると、ほかの車種も時間を置かずにフルモデルチェンジするので、設計が古い車種があまりないのです。

 そんな軽自動車ならではの事情があるなか、ダイハツ「ムーヴ」は設計が古いモデルのひとつ。現行型(6代目)の発売は2014年なので、2023年で9年目を迎えます。

 一方で、かわいらしい外観にスライドドアを装着した派生モデル「ムーヴキャンバス」は、初代が2016年に発売されて2022年には現行型へ切り替わりました。ムーヴはダイハツの主力車種なのに設計が古いままで放置されているといえます。

 ムーヴはなぜフルモデルチェンジを実施しないのでしょうか。

 販売店に尋ねると、以下のように返答されました。

「ムーヴは発売から長期間が経過していますが、今のところフルモデルチェンジする話はメーカーから聞いていません。新規の注文もできます。従って少なくとも2023年の中盤まで新型には変更されません」。

 その一方でダイハツの開発者は「ダイハツ『ロッキー』やトヨタ『ライズ』が搭載するeスマートハイブリッドは、街乗りの使用頻度が高い小さなクルマに適したシステムです。今後、ダイハツのさまざまな車種に搭載します」といっており、新型ムーヴにはeスマートハイブリッドが搭載されることになるでしょう。

 その開発のためにフルモデルチェンジの時期が遅れ、ムーヴキャンバスのほうが先に全面刷新したということです。

 薄利多売の軽自動車にはコストの高いメカニズムは採用しにくく、そのため、従来の軽自動車は電動機能を搭載するとしてもマイルドハイブリッドでした。

 それが、ダイハツのeスマートハイブリッドは、エンジンは発電、駆動はモーターが担当する日産の「e-POWER」に近い仕組みですから、フルハイブリッドに含まれます。

 マイルドハイブリッドの正味価格は、アイドリングストップに近い3万円程度で、燃費向上率も低いです。例えば「ワゴンR」の標準ボディでは、マイルドハイブリッドのWLTCモード燃費が25.2km/Lで、アイドリングストップを装着しないノーマルエンジンは24.4km/Lです。マイルドハイブリッドの燃費向上率はわずか3%。

 マイルドハイブリッドの燃費性能では2030年度燃費基準を達成できません。例えばワゴンRのマイルドハイブリッド仕様(ZX・2WD)のWLTCモード燃費は前述の25.2km/Lで、車両重量は790kgです。

 790kgに相当するWLTCモード燃費は、2020年度燃費基準なら24.5km/Lですから、25.2km/Lの現行ワゴンRでもクリアできます。それが2030年度燃費基準になると、WLTCモード燃費が28.5km/L前後でないとクリアできず、マイルドハイブリッドで達成するのは困難です。

 この事情も踏まえて、軽自動車も、マイルドタイプではない本格的なハイブリッドの開発に入りました。そしてダイハツでは、新型ムーヴを皮切りにeスマートハイブリッドの搭載を開始するのです。

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3件のコメント

  1. 何故?ダイハツ営業マンが「当初の予想画像と全く違うし、後ろスライドドア」との事。
    営業自体もムーブはキャンバスがスライドだから売りにくいと言っていた。

  2. 全固体電池も大幅遅れ、炭素繊維車体も普及せず、脱炭素よりも自動車業界の雇用確保による硬直的な車造りが進化を立ち止まらせている。

  3. 半導体不足という画一的な納期遅延を評論家は実態調査したのか? 軽自動車だけ納期遅延が短い理由からして疑わしいと思うだろ。国内製造ラインを軽に振り分けているだけだろ。国内マーケットは三極化(三極という言葉は以前から存在する)し、生活軽自動車、趣味的マイカー登録車、誇示的高級車に分かれ、趣味的マイカー登録車は使用頻度が少ないため長期的に待たせることが可能なだけ。逆に誇示的高級車層はいち早く乗らせるために予約を受け付け販売タイムラグを短くするように調整出荷しているだけ。生活軽自動車が旧来の販売手法で、長く待たされると他車や中古車に流れてしまうので製造ラインの確保を充分にしているだけ。

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