なぜ?「車検ステッカー」貼付位置が変わる! 「罰金50万円以下」の可能性も… 実際に「誰が」取り締まるのか

車検ステッカーの貼る位置を間違えたら…誰が取り締まるのか?

 ここで気になるのは、この違反を誰が取り締まるのかということです。

 一般的に、クルマを確認する機会があるのは車検の検査員や国土交通省の職員、警察などがあげられるでしょう。

 車検切れやナンバープレートを隠した状態でクルマを走らせるといった道路運送車両法違反があった場合には、警察が捜査や検挙をおこなっており、車検ステッカーの位置に関して取り締まることがあるとすれば警察ということになります。

 しかし警察の人的資源は限られており、車検ステッカーの位置を確認するためだけに検問をおこなうようなことはまずあり得ません。

 また、車検が切れている認識がありながらクルマの運転を続ける、ナンバープレートを外して運行するなど悪質性の高い事案でなければ警察から逮捕や取り調べを受けるといった可能性は低く、車検ステッカーの貼付位置が違っていても口頭注意で終わることが予想されます。

貼付位置の取締りは誰が行うのか?
貼付位置の取締りは誰が行うのか?

 さらに車検ステッカーについて国土交通省は、指定の位置に貼付すると運転者の視界を妨げる場合には「例外として、運転者の視界を妨げない前方かつ運転者席から見やすい位置でも貼付が可能」とも言及しています。

 クルマの構造などによって車検ステッカーの位置は変わる可能性があるため、すべてのクルマを一律に取り締まることは難しいといえるでしょう。

 加えて、一般の人からの「検査標章の貼付位置が違うことにより車検を受検できない等といったことは考えられるのか」という質問に対し、国土交通省は「継続検査の受検ができなくなる等の措置は考えておりません」と回答しています。

 そのため、車検ステッカーの位置に関して厳しい措置をとらない方針がうかがえます。

※ ※ ※

 2023年7月から、車検ステッカーを表示する位置が変わります。

 車検ステッカーを指定の位置に貼付しなければ道路運送車両法違反にあたる可能性はあるものの、画一的な取り締まりは難しく、車検ステッカーの位置が違うことのみをもって警察に検挙される確率は非常に低いといえるでしょう。

【画像】「これは剥がしちゃダメ!」車検だけじゃない「貼らなきゃいけない」ステッカーを見る(14枚)

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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