スマホの地図アプリで手軽にナビが使える!「カーナビ」需要どうなった? メリット・デメリットはどんなとこ?
最近はスマホの地図アプリをカーナビとして使う人が増えていますが、カーナビの需要も根強く残っています。両者のメリット・デメリットはどのようなところなのでしょうか。
スマホの地図アプリはカーナビ代わりになる?
クルマで初めての場所へ出かけるとき、かつては紙の地図を片手にドライブしていたものですが、現在ではそれが「カーナビゲーション(カーナビ)」に置き替わりました。
さらに、近年ではスマートフォン(スマホ)やタブレット端末が普及し、地図アプリをカーナビとして利用することも可能で、高額なカーナビを買わなくても手持ちのスマホを使えることから人気を高めています。
紙の地図からカーナビに移行したように、今後はスマホの地図アプリがメインになるかと思われますが、従来のカーナビも根強く支持されているようです。
一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)の資料によると、統計を取り始めた2000年に169万9000台だったのカーナビ出荷台数は、10年後には526万3000台を記録。その後も出荷台数は500万台を超え続け、2018年には614万4000台にまで伸びました。
一方、2020年から始まった新型コロナ禍によって一時的に新車需要が減退したことや、半導体不足でカーナビの生産そのものが低迷したこと、さらには現在新車の納車に大きな遅れたが生じていることもあり、2020年は519万8000台、2021年は476万2000台、2022年は440万100台と出荷台数が減少しています。
それでも、年間400万台以上のカーナビが出荷されており、スマホなどが普及しているなかでも依然としてカーナビの需要は高いといえるでしょう。
では、カーナビとスマホの地図アプリのメリットやデメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。
カーナビのメリットとして挙げられるのは、走行中でも地図を見やすいということです。昨今のカーナビの画面は大型化しており、軽自動車でも大画面を備えている車種も少なくありません。
一方、スマホの地図アプリは、車載ホルダーなどにスマホを固定して使用する場合、小さな画面に表示される道順を走行中に確認するのは至難の業です。また、運転中にスマホを操作したり画面を注視したりすることは違反となる可能性があり、操作するときは安全な場所に停止する必要があります。
最近はディスプレイオーディオが車載されるモデルが増えており、スマホと接続すればディスプレイを介して地図アプリを使うことができます。
経路案内に関しては、カーナビはクルマで使うことに特化しているので、経路案内の精度も高いといえますが、地図アプリでは、時々とんでもない道に案内されることもあり、本家には敵わないところもあるといえそうです。
また、スマホの地図アプリの多くは地図データを含むすべてを通信に頼っており、通信環境によっては使えないという事態も発生します。
その点カーナビはデータ通信をおこなわないので、通信料がかからないのも大きなメリット。
ただし、この「データ通信なし」はデメリットにも。スマホの地図アプリは常に最新の地図データに更新されるのに対し、カーナビは新しいデータを更新しない限り、地図が古くなってしまうという弱点もあります(最近は手軽に地図更新できるカーナビも増えています)。
ほかにも、エンターテイメント系のコンテンツを楽しむにはスマホでは物足りないという点もカーナビが支持される理由のひとつでしょう。
スマホには多くの楽曲が保存できたり、最近は音楽のサブスクリプションサービスの利用者も増加。ヘッドフォンやイヤフォンなどでスマホの音楽を楽しむ分には問題ありませんが、クルマで走行中はロードノイズの影響を受け、スマホ内蔵スピーカーだけではサウンド的に物足りないという人もいるのではないでしょうか。
そうなれば再生するために車載オーディオは必要になり、加えて映像系コンテンツも車内で楽しみたいなら、ディスプレイ付きのカーナビまたはディスプレイオーディオが必要になります。
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純正カーナビや社外品のカーナビはインテリアとのマッチングも良いのですが、価格が高いのがネックです。また、純正カーナビにサウンドシステムやETCがセットになっていることもあり、その場合数十万円の出費となることもあります。
価格の面ではスマホの地図アプリに軍配が上がるのも事実。固定するためのホルダーと通信料があれば使用でき、手軽さという点もスマホの地図アプリの強みといえるでしょう。
スマホを利用したナビは、トンネルや上下にある道路(例えば上に高速道路、下に一般道など)ではGPSが全くといっていいくらい役に立ちません。
停車する度に向きを見失って変なリルートを繰り返す場合もあります。
GPSの精度は設置型カーナビにはまだまだ遠く及ばないと思います。