「走りの本質が見えた?」トヨタ新型「クラウン」雪道でも実感! 四駆が生み出す“負けない走り”とは
トヨタは2022年7月15日に16代目となるトヨタ「クラウン」を世界初公開。4つのモデルがラインナップされました。同年秋には第一弾として「クロスオーバー」が発売されましたが、雪上ではどうなのでしょうか。
16代目「クラウン」雪上での走りはどう?
クラウンのDNA「革新の挑戦」を再構築すべく、これまでの固定概念を全て捨てて開発された16代目「クラウン」。
これまでのクラウンの固定概念からの脱却を図っただけでなく、「提案型」の商品として複数のモデルバリエーションが用意されました。
その第一弾となるのがセダンとSUVを融合した「クロスオーバー」となり、今回は北海道にあるトヨタ士別試験場での雪上試乗で、新たに採用された4WDシステムを日常域から非日常領域まで体感してきました。
クラウン クロスオーバーは、全車ハイブリッドで後輪に独立したモーターを採用した電動AWD(E-Four)仕様ですが、パワートレインにより2つのシステムを用意しています。
ひとつは2.5リッターエンジンと「THSII(シリーズパラレル式)」を組み合わせたシステムで駆動はE-Fourです。
E-Fourは、トヨタのハイブリッド車で定番のAWDシステムとなり、路面状況/走行状態に応じて瞬時に後輪へ駆動を行う「アクティブオンデマンド式」となっています。
もうひとつは、2.4リッターターボエンジンとデュアルブーストハイブリッド(パラレル式)を組み合わせたシステムで、駆動はE-Fourアドバンスです。
こちらは後輪モーターに小型かつ高出力な「e-Axle(モーター/ギア/インバーターをパッケージしたもの)」を搭載し、常に後輪の駆動を行う「フルタイムAWD(常時AWD)」となっており、連続使用による熱対策のために水冷式の冷却装置を採用しています。
では、その走りに違いはあるのでしょうか。
どちらも車両安定制御システム(VSC)をオンにして普通に走行している限り、基本的には共通で、舗装路よりも不安定な低μ路でも挙動を乱すことなく曲がることが可能です。
もう少し具体的に言うと、コーナー進入時は4WDを感じさせない素直な回頭性、コーナリング中は4WDの安定性を持ちながらFRのように旋回軸がドライバーの近くにある感覚です。
またリアに荷重をシッカリと乗せながら曲がる旋回姿勢、そしてコーナー脱出時はアクセルをグッと踏み込んだ時は4WDの安定感と、駆動方式の概念が変わるハンドリングは舗装路以上に実感できました。
この秘密は前後トルク配分を活かした駆動力制御に加えて、四輪操舵(DRS)やアクティブ・コーナリング・アシスト(ACA)の相乗効果によるものですが、どちらも機械に曲げられている感覚はなく、あくまでもドライバーを影で支える黒子のような制御なので、まるで「運転が上手くなった」と錯覚してしまうかもしれません。
この辺りはトヨタ車に共通する走りの味「Confident(安心)&Natural(自然)」は雪道でも不変です。
ただ、厳密に比べるとE-FourとE-Fourアドバンスに違いがあります。それは「安心感」と「自在性」でしょう。
そもそも先代までのクラウンはFRベースのフルタイムAWDであり、ランクル等と同じくセンターデフを有する本格四駆だった。
駆動力配分も先代では前後40対60とFR的乗り味は残しつつ、安定感抜群のシステムでした。
スポーツ方向に振ったスバルのVTD-AWDをより安定方向に振った感じ。
今回FFベースとするにあたって、従来のE-fourでは安定感に劣るため、RSグレードではリアモーターを80PSに増強し、リアモーターに常時トルク配分する(仕様では0になる場合もあるようだが)事で、ハリアー等よりレベルアップした制御が可能となった。
しかし、先代までのフルタイムAWD以上かというと疑問符がつく。
例えば高速道路ではモーターの力が頭打ちになるため、80PSしかないモーターがどの程度働いてくれるのだろうか?
やはり高速道路では先代までのクラウンやスバル、三菱の四駆が安心感あるように思う。