車のガソリンなにが違う? 「レギュラー」「ハイオク」混ぜてもOK? 欧州車にハイオクが多い訳とは
ガソリンスタンドではいくつかの燃料が販売されていますが、ガソリンエンジン車に使用されるレギュラーガソリンとハイオクガソリンは混ぜても良いのでしょうか。
同じガソリンでもレギュラーとハイオクは何が違う?
現在のガソリンスタンドでは、主に「レギュラーガソリン」「ハイオクガソリン」「軽油」「灯油」の4種類の燃料を購入することができますが、そのなかで、レギュラーガソリン(以下、レギュラー)とハイオクガソリン(以下、ハイオク)はガソリンエンジン車で使用する燃料です。
では、レギュラーとハイオクを混ぜて給油しても良いのでしょうか。
レギュラーとハイオクは同じガソリンエンジン車に使用することは同じですが、実はJIS規格で定義された違いが存在します。
一般的に販売されているレギュラーとハイオクには大きく分けて2つの違いがあり、1つ目は燃料の異常燃焼の起こしにくさを示す数値「オクタン価」です。
JIS規格で定義されている数値は、「レギュラーが89.0以上」「ハイオクが96.0以上」とされています。
高級車やスポーツカーなどに搭載される高出力・高効率なエンジンは、圧縮比と呼ばれるガソリンと空気の圧縮率が高く、燃焼室が高温高圧の状態になり、異音や振動などのノッキング症状が発生しやすくなります。
そこで、オクタン価が高いガソリンは「燃えにくいガソリン」であり、これを燃料として使うことで抑止することができます。
ちなみに、石油会社は「オクタン価=燃料品質」というイメージアップを図るためにオクタン価を高めて販売しており、実際は「オクタン価が98~100」という数字の燃料が販売されています。
2つ目の違いは、エンジン内部に付着した汚れを洗浄やエンジン内部を保護する機能です。
エンジン内部の洗浄・保護はオクタン価が高いほど性能が上がり、レギュラーよりハイオクのほうが性能は高くなります。そのため、ハイオクを継続給油することでエンジン本来の性能が期待できます。
これらのことからレギュラー仕様車にハイオクを給油したり、逆にハイオク仕様にレギュラーを給油することに関して、走行には問題ありません。ただし、メリットとデメリットがあります。
まず、レギュラー仕様車にハイオクを給油することは、エンジン内部の汚れ洗浄・保護機能が向上してエンジンに良い効果が期待できます。
一方で、レギュラーとハイオクの価格差は1リッターあたり約10円前後になり、100リッター給油すると約1000円の差が発生。ガソリンを始め、さまざまなものの価格が高騰している昨今、レギュラー仕様車にハイオクを給油し続けると金銭的な負担が増加することになるでしょう。
対して、ハイオク仕様車にレギュラーを給油するのは節約につながりますが、パワーダウンするというデメリットも。
また直噴エンジン車など、エンジンの特性によっては機構の故障や劣化を早める可能性もあるといわれています。
普段の街乗り程度ならほぼ問題ないものの、サーキット走行などでは、エンジン性能を目一杯引き出すことができなくなる可能性があり、震災時などで指定燃料を入手できないといった状況でなければ、その車種にあった燃料を給油するほうが良いといえます。
ハイオク高いと言っても同じ1リッターあたりで比較すれば自販機のコーラ(500ml入り✕2本)より安いよ←違