レクサス新型「RZ」を速攻試乗! 「次世代のモビリティだった!?」 渡辺新プレジデントの「想い」詰まったBEV専用モデルの魅力とは
クルマ側の制御だけではない…ドライバーがもっと走りたくなる、「ワォ」と言える施策とは
このようにレクサス初のBEV専用モデルとなるRZですが、2023年2月中旬にクローズドサーキット(袖ヶ浦フォレストレースウェイ)にて試乗することが出来ました。
試乗の内容は、ノーマルステアリング(円形)でサーキット試乗、DIRECT4のオンオフ体験、ステアバイワイヤシステムの低速&高速試乗という流れです。
まずは、ノーマルステアリング(円形)でRZの素性を体感するためにサーキットを3周。1周目はノーマルモードで80km/hを目安に、2周目はスポーツモードで100km/hを目安にして走ります。
ドライブモードの切り替えは、タッチパネル上の「車両→ドライブモード」を選択するか、この画面であればステアリングスイッチで変えられます。
まず、ゼロ発進加速ですが、bZ4X/ソルテラよりも滑らかかつ力強く前に進んでいき、こんなに気持ち良い加速をするのかと驚きます。
2023年1月に同じ袖ヶ浦フォレストレースウェイにてトヨタ新型「プリウス」を試乗していますが、その2リッター(E-Four)とはまた違った心地よさを感じました。
アクセルペダルを踏み込んでいくとBEVなのに独特のエンジン音が車内に聞こえてきます。これはRZから発せられる音を組み合わせて速度域に応じた音をスピーカーから流しているといい、渡辺剛プレジデントは次のように続けます。
「クルマの運転において、五感っていうものがすごく大事だと思ってます。その五感の中の聴覚は、BEV時代であっても、クルマを運転するためにやっぱり必要な機能だと考えます。
そこにクルマとの対話だったり、クルマが今どういう状況なのかが音でちゃんと認識をすることが大切なのです。
元々RZが走っている音をサンプリングしたデータをそのシーンに応じて必要なサウンドにチューニングをしてスピーカーから流しています。
なので、ノーマルモードとスポーツモードでも違うほか、低速からアクセルを踏み込んだところは高トルクを出して力強く発進していくことを聴覚的にも伝えるため、電気系の音を比較的多めに流しています」
また、速度域の高い中でのコーナリングでも、車両重量2トン超えとは思えないほどピタッと曲がっていく部分でDIRECT4の凄さを実感します。
DIRECT4とは、高トルク/高レスポンスが特徴となる高出力の「e-Axle(インバータ/ギア/モーターを組み合わせたもの)」を搭載することに加えて、地上最速の動物といわれるチーターのブレない動きからヒントを得た「レクサスらしい走り」によって、車両姿勢(目線)の安定化と荷重移動に応じた駆動力配分をする制御を指します。ブレずにピタッと駆け抜ける様子はまさに自分の意のままに操れる感覚です。
またタイトコーナーからの上り坂といった2トンには辛い状況においても、前後独立モーター(フロント150kW/リア80kW)のお陰で軽やかにそして力強く登っていく感覚で、まるでV8エンジンの大排気量モデルにでも乗っているような印象すら受けました。
次にDIRECT4のオンオフ体験では、今回特別にオン/オフのスイッチが付けられたモデルにて試乗を行います。基本的に市販車のRZは常にオンの状態ですが、オフにすることで前後の駆動配分を50:50にして走ることが出来ます。
50:50の場合は、前後が固定されような感覚で、自分が荷重移動をしなければスムーズなコーナリングは出来ません。
しかしオンにすればすべて自動的に適切な駆動配分を行うため、自分の運転が上手くなった気持ちになるのがわかります。
市販車においてオンオフが出来ると、ユーザーにもDIRECT4の凄さがより分かりやすいのではないかと思えますが、そのあたりは「最善最適のシステムを提供する」というレクサスの考えからオンオフは出来ないようになっているといいます。
最後に操縦桿のような造形をしたステアリングのステアバイワイヤシステムを体感します。
まずは低速でのスラロームや段差越え、駐車シーンなどを体感する特設コースですが、走り出しからどこまで曲がるのかという不安によって何回も操舵修正をするほどおっかなびっくりでしたが、2周目では慣れてきたため、少し速度を上げ滑らかに走り切ることが出来ました。
新型RZ用のステアバイワイヤシステムでは、ステアリングの操舵角を今回のプロトタイプでは「+-150度」に設定しています。
これにより、従来の円形ステアリングでは1回転回さなければ曲がれないコーナーでも、ステアリングを少し傾けるだけでクリア出来ます。単に先進性を表現している訳ではなく、操作量が少なくなることで、疲労軽減にも繋がるといいます。
サーキットでの試乗では、まるでゴーカートを運転しているようなクイックな操作性となり、ステアリング操作の遅れを気にせずに走ることが可能です。
また開発陣が意図していなかったという部分では、操縦桿のような形状のため円形ステアリングの上部だけや下部だけを持つような操作は出来ないため、正しい持ち方とされる「9時10分」や「10時10分」が基本となるなど、副産物的なメリットもあるように感じられました。
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このように様々な面で新鮮な驚きを得られる次世代モデルのRZですが、レクサスブランドのけん引やBEV専用としての第一弾という以外に、カーライフの部分でも新たな取り組みが行われるといいます。
今回RZの発売から「Lexus Electrified Program」というオーナー専用のサービスを初めていくとし、BEVにまつわる不安を解消するサービスや、レクサスのBEVならではとなる独自の体験価値の提供を行っていくというプログラムを販売店などと協力しながら展開していくようです。
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