街中で見かける“光るナンバー” 「字光式ナンバー」って何? どんな意味がある?
街中では、光るナンバープレートが装着されたクルマを目にすることがあります。ではどういった意味があるのでしょうか。
「字光式ナンバープレート」装着の目的は
ときどき、文字や数字が光っている「字光式ナンバープレート」を装着したクルマを見かけることがあります。
では、この「字光式ナンバープレート」はどのような目的で作られているのでしょうか。
夜にクルマで街を走っていると、文字や数字が光っているナンバープレートを付けたクルマを見かけます。
これは一般的に「光るナンバー」や「電光ナンバー」などと呼ばれていますが、正式名称を「字光式ナンバープレート」といいます。
字光式ナンバープレートはアルミ板でできた一般的なペイント式のナンバープレートとは異なり、アルミ板にプラスチックの文字をはめ込み、裏側から照明を当てて光らせる仕組みです。
「ナンバーが光るのがカッコイイ」「目立って良い」などの理由で現在はクルマのドレスアップとして利用されることの多い字光式ナンバープレートですが、実は開発された当初は別の目的で販売されていました。
日本で唯一の登録自動車用の字光式ナンバープレートを製造しているワールドオートプレート株式会社のホームページでは、字光式ナンバープレートの誕生経緯について以下のように説明しています。
「1950年に開発者の村井佚之祐氏が北海道に住んでいた際、夜間無灯火のトラックにひき逃げされて重症を負ったことがきっかけとなり、交通事故防止対策として『光るナンバープレート』を考案しました」
本来はナンバーを光らせることで視認性を向上させ、夜間に歩行者や周りのクルマから見えやすくするためのものだったのです。
字光式ナンバープレートを装着すると、夜間における後続車両からの追突防止に役立つほか、濃霧や吹雪といった天候のときでも自分のクルマの存在をアピールできます。
また、かつてはナンバープレートを照らす電球の熱で表面に付着した雪を溶かしていたとも言われていますが、現在は電球ではなく発熱量の少ないLED照明が使われていることが多いため、雪を溶かすことは難しいといえるでしょう。
ちなみに、登録自動車と軽自動車ではその仕様に違いがあります。
自家用の登録自動車の場合、ナンバープレートは白地に緑文字であるため、字光式ナンバープレートでは緑色のプラスチックで表示された文字や数字に光が透過して緑色に光ります。
一方で自家用の軽自動車の場合、黄色地に黒文字のナンバープレートですが、黒色の文字や数字は光の透過の関係で登録自動車と同じように発光ができないため、文字や数字の輪郭部分が発光する仕組みとなっています。
なお、軽自動車用の字光式ナンバープレートは、旭化成テクノプラス株式会社が独自開発し、2002年から国土交通省の認可を得て製造を開始しています。
※ ※ ※
字光式ナンバープレートを装着した場合に知っておきたいこととして、一般的なペイント式のナンバープレートを装着する場合と比較して費用が高くなることや、手入れをより丁寧におこなわなければいけないという点です。
北海道運輸局の場合では、希望ナンバーでない一般ナンバープレートの交付手数料は、普通乗用車に取り付ける中板サイズの場合、ペイント式1組で1740円なのに対し、字光式1組で3480円となっています。
また、初めてクルマに字光式ナンバーを取り付ける場合は照明器具代金もかかります。
さらに、ナンバープレートに向けて高圧洗浄などをおこなうと内部に水が入って照明が点灯しないといった不具合につながるケースがあるため、過度に洗浄しない、濡れたタオルで汚れをとってから乾いたタオルで水を拭き取るなど、優しい手入れが必要といえるでしょう。
もしクルマに字光式ナンバープレートの取り付けをおこなう際には、ペイント式のナンバープレートよりも設置費用がかかることや、手入れに配慮する必要があることを知っておくと良いでしょう。
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