ガソリンスタンドでは燃料給油以外に「油外（油以外）」での売り上げが重要です。この油外が直接その店舗の売り上げに繋がり、洗車やオイル交換、タイヤ交換などの仕事が取れるとうれしかったです。

　そのなかでも洗車はもっとも多い売り上げなのですが、来店する人全員に「洗車どうですか？」と聞いている訳ではありません。

　私は当時来店されるお客さまに片っ端から聞いてしまい怒られたこともあり、その経験から、比較的洗車をしていただける可能性が高いお客さまを見つけていました。

　その特徴は、「毎回燃料を満タンにする」「燃料給油だけでも店舗に滞在する時間が長い」のふたつ。

「毎回燃料を満タンにする」ですが、私の経験上、燃料を毎回満タンにするお客さまはあまり金額を見ていないという傾向があります。特に会社名義で契約をしている経営者などは金額を見ることはありませんでした。

　そのため「洗車どうですか？」と聞いた際に、「いくら？ 何分かかる？」などと聞かれて金額や所要時間を答える時間が省かれ、「じゃあ頼むわ！」と言われて洗車獲得に繋がることが多くありました（もちろんすべてのお客さまに当てはまるわけではありませんが）。

　また「燃料給油だけでも店舗に滞在される時間が長い」お客さまは、ガソリンスタンドのスタッフと会話するのも楽しんでいます。私がフルサービスで勤務していたころ、スタッフと話をするためにわざわざ徒歩で来店されるお客さまもいたほどです。

　このようなお客さまは洗車を獲得しやすく、洗車中も会話が弾んで時間も短く感じるでしょうし、次にまた洗車をして頂ける可能性が非常に高いものです。

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　ガソリンスタンドのスタッフはお客さまが来店されるとクルマ全体を見ていて、クルマの汚れ具合や洗車頻度などを確認しています。

　しかし、最近フルサービスのガソリンスタンドが減少し、また、自分で操作できるセルフ洗車機の性能が格段に上昇しているのも事実で、スタッフが洗車・拭き上げ・ワックスがけといった作業している光景をあまり見かけなくなったのは少し残念に思います。

　また、燃費の良いハイブリッド車の普及や、そもそも燃料を必要としない電気自動車が増えてきたことで、ガソリンスタンドに立ち寄る機会も減っています。

　しかし、フルサービスでなければ体験できないコミュニケーションや雰囲気もあります。セルフ式も手軽に利用できて良いのですが、たまにはフルサービスのガソリンスタンドで給油や洗車をしてみるのも良いのではないでしょうか。