両社合計6車種を投入 インド工場を「国際ハブ」化

　ルノーと日産は2023年2月13日、インド市場に6億米ドルを投資し、EVの生産や同国内の工場をカーボンニュートラル化することなどを盛り込んだ同市場における長期ビジョンを発表しました。
　

　今回の発表は、ルノーと日産が3車種ずつの新型車をインド・チェンナイで設計・生産することを明らかにしました。

　新型車は4車種のCセグメントSUVが含まれるほか、ルノーおよび日産が同市場で初めて投入するEVとして、2車種のAセグメントEVを計画。この新型EVは両社が日産「リーフ」とルノー「ゾエ」で開拓したグローバル量産EVの知識を生かして開発されるとしています。

　新型車はいずれも、ルノー・日産のアライアンスで共通するプラットフォームを採用しながら、各ブランドの個性を明確にした特徴的なデザインを採用する予定であることも公表しています。

　これらの新型車生産のために、すでに太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用しているチェンナイの工場は、2045年までに再生可能エネルギー使用量100％を目指し、同時に工場のエネルギー消費量も現在の半分まで抑えるといいます。

　さらに、チェンナイ工場の稼働率を80％に高め、研究開発などの業務拡大によってインドの雇用促進に寄与し、ルノー・日産の国際ハブとして機能することを目標としています。

　ルノー・日産はこのプロジェクトを進めるに当たり、約6億米ドル（約793億円）を投入。チェンナイのルノー日産テクノロジー＆ビジネスセンターインディア社（RNTBCI）では、最大で2000人の新規雇用を創出する見込みです。

　日産のAMIEO（アフリカ・中東・インド・ヨーロッパ・オセアニア）マネジメントコミッティ議長であるギョーム・カルティエ氏は今回の長期ビジョン発表に際し、以下のようにコメントしています。

「ルノーと日産はインド市場への取り組みを強化します。インド市場の電動化を推進し、環境への影響を最小限に抑えていきます。

　インドは初のアライアンス工場が竣工した地であり、新型車や新しい研究開発の取り組み、新しい輸出市場を通じて、共同事業を次のレベルへと引き上げ、アライアンスの新しい章の中心的な役割を果たしていきます。

　インドにおける日産のラインアップに、初めてグローバルに高品質なSUVとEVが加わることで、従業員、お客さま、地域社会により大きな価値をもたらします」

　また、ルノーグループのインターナショナル・デベロップメント・パートナーシップ担当SVPでアライアンス共同購買組織（APO）のマネージング・ダイレクターを兼ねるフランソワ・プロボ氏も以下のコメントを発表しています。

「インドはルノーグループにとって重要な市場です。過去14年間、私たちはチームやディーラーとともにルノーブランドを発展させ、年間10万台を販売するまでになりました。また、世界にまたがる研究開発においても、インドは重要な役割を担っています。

　今回の日産とのプロジェクトは、2月6日に発表した新しいアライアンスの構想のうち、内容を具体化した最初の取り組みです」

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　なお、2023年2月6日にはルノーグループおよび日産と三菱が3社のアライアンスに関する取り組みを発表し、南米やインド、欧州市場における新型車の投入や電動化、脱炭素化などについての長期ビジョンを明らかにしています。