話題の新型「プリウス」にいち早く試乗! トヨタ車トップレベル!? 公道&サーキットの実力はいかに
これは…次世代パフォーマンスモデル!? PHEVの実力はいかに
さらにユーザーを悩ます1台が遅れて登場するプラグインハイブリッド車(PHEV)です。
今回プロトタイプに少しだけ試乗ができました。
ナンバーが付いていないため袖ヶ浦フォレストレースウェイの走行ですが、MAX80km/hと一般走行を想定しての走行パターンです。
エクステリアは専用デザインのアルミホイールやテールランプの色、パンパーの色。
インテリアはシフト周りにレイアウトされるEV/HEVモード切替スイッチくらいで、HEVとほぼ同じ。
新型でのPHEVの位置づけは「特別なモデル」から「プリウスの上級グレード」というわけです。
今回はメカニズムに関する詳細はまだ未公表ですが、パワートレインは2リッター+THSIIですが、駆動用モーターを113psから164psに高出力化されており、システム出力はプリウス至上最強となる232psを発揮。
ちなみに先代はモーター出力が低かった苦肉の策としてEVモード時に駆動用モーターに加えて発電用モーターも駆動に使う「デュアルモータードライブ」を採用していましたが、新型は高出力モーターを搭載しているのでその必要がないので未採用です。
バッテリーは先代の8.8kWhから13.8kWhで航続距離は先代の50%以上と発表されていますが、先代のEV航続距離(68.2km)から推測すると100km以上なのは間違いないです。
つまり、日常走行はほぼEVとして使えるというわけです。
フットワーク系はHEVに対して約100kgの重量アップに対応するために、サスペンションのセットはPHEV用に最適化されています。
試乗が僅か2周、1周目はEVモードで走行します。
HEVよりもアクセルを踏んだ際のレスポンスや電動化ならではのトルクの立ち上がり、滑らかなフィールは実感しますが、電気自動車に多い「内燃機関とは違うでしょ!」といったモリモリ湧き出るドーピング的な力強さではなく、あくまでもジェントルな走行フィールです。
先代よりも格段に引き上げられた静粛性から、室内は下手な電気自動車よりも静かかもしれません。
2周目はHEVモードで走ります。EVモードはある意味想定内でしたが、アクセルをグッと踏むと思わず「速っ!!」と声を出してしまうくらいの力強い加速でダッシュ。
0-100km/h加速は6.7秒で「GR86」のそれが6.3秒と聞くとその凄さが解るでしょう。ちなみに先代は10秒くらいだそうです。
ちなみにアクセル全開時は低音が効いたサウンドが響きますが、加速力が伴っていると不思議な事にノイジーには感じません。
さらに伸びあるフィーリングはプリウスのパワーユニットであることを忘れそうで、筆者はプリウスに乗って初めて「エンジンが掛かって良かった!!」と感じました(笑)。
フットワークは今回の走行パターンでは+100kgの重量増はほぼ感じられませんでしたが、前後重量配分がHEVよりも適正化されているので、FFながらもハンドリングのバランスやグランドツアラー的な乗り味などHEVのE-Fourに近い印象でした。
総じていうとPHEVは「EVの皮を被った次世代パフォーマンスモデル」と呼びたくなる魅力を持っています。
価格は未公表ですが、恐らく400万円から500万円と予想。
それなりのお値段ですが、総合的に見れば納得かなと。恐らく、HEV同様に争奪戦になるのは間違いないのです。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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