なぜクルマに「駅」の名称ついた? 多積載可能な「ステーションワゴン」 米国起源の由来とは

クルマにはさまざまなボディタイプが存在しますが、そのなかで積載力を誇る「ステーションワゴン」のステーションにはどのような由来があるのでしょうか。

「ステーションワゴン」と駅の意外な関係

 スポーティな走りと高い実用性を兼ね備えたステーションワゴンは、かつての日本では大きなブームとなりました。
 
 一方、なぜ「駅」を意味する「ステーション」という言葉が用いられているのかについては、あまり知られていないようです。

「ステーションワゴン」の「ステーション」ってなに? クルマに「駅」の名称ついた背景とは(画像はスバル「レヴォーグ」)
「ステーションワゴン」の「ステーション」ってなに? クルマに「駅」の名称ついた背景とは(画像はスバル「レヴォーグ」)

 クルマにはさまざまなボディタイプが存在します。

 主なものでは「セダン」「クーペ」「SUV」「ミニバン」「オープンカー」そして「ステーションワゴン」が挙げられます。

 日本でステーションワゴンといえば、スバル「レガシィ ツーリングワゴン」を筆頭に、日産「ステージア」、トヨタ「カルディナ」、三菱「レグナム」ホンダ「オデッセイ」といったステーションワゴンは、1980年代後半から2000年代初頭にかけてのクルマを語るうえで欠かすことのできない重要な存在です。

 2023年1月現在販売されているステーションワゴンは、トヨタ「カローラツーリング」「カローラフィールダー」、スバル「レヴォーグ」、マツダ「マツダ6(ワゴン)」といった国産車。

 輸入車ではメルセデス・ベンツに「ステーションワゴン(シューティングブレイク)」、BMWに「ツーリング」、アウディに「アバント」、フォルクスワーゲンに「ヴァリアント」、ジャガーに「スポーツブレイク」、プジョーに「ステーションワゴン(SW)」、などとして各セグメントで用意されています。

 一方、なぜ「ステーション」という言葉が用いられているのかについてはあまり知られていません。

 インターネットで検索すると「『駅馬車』に由来している」という記述を見つけることができますが、これはいったいどういうことなのでしょうか。

 そもそも、ステーションワゴンの定義について完全に定まったものはなく、時代や地域によって多少の違いがあります。

 そのうえで、現在の日本では「セダンをベースにキャビンとトランクルームを一体化させたもの」とするのが一般的なようです。

 つまり、ステーションワゴンとは、セダンのスポーティな走りとワゴンの積載性を兼ね備えたボディタイプということができます。

 ステーションワゴンの起源は、1920年代のアメリカにさかのぼります。

 当時、州をまたぐような長距離移動は、鉄道を利用することが一般的でした。

 そして、駅に降り立った乗客は、持っている荷物を駅にいる馬車に載せて、最終的な目的地へと向かうのでした。

 この馬車は「デポハック(Depot Hack)」と呼ばれていました。「デポ」とは「荷物置き場」を意味し、「ハック」は「(馬車の)タクシー」を意味しています。

 一方、1920年代に入ると、大量生産方式を確立したクルマとして知られるフォード「モデルT(T型フォード)」により、急速にクルマが普及していきました。

 その結果、この「デポハック」も、従来の馬車からモデルTをベースとしたワゴンへと置き換わっていきます。

 モデルTなどをベースとしたワゴンも当初は「デポハック」と呼ばれていたようですが、徐々に「ステーションワゴン」という呼び名が浸透していくことになります。

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