なぜクルマに「駅」の名称ついた? 多積載可能な「ステーションワゴン」 米国起源の由来とは

なぜ「ステーションワゴン」が浸透し始めたのか?

 ここには、いくつかの背景があると考えられます。

 ひとつは、「デポハック」という言葉が指し示すものが「従来の駅馬車」と「モデルTなどをベースとしたワゴン」という2つのものとなってしまったことから、呼び分ける必要が生じたためです。

 もうひとつは、フランス語由来の「デポ」とスペイン語に由来する「ハック」という、馴染みの薄い言葉を組み合わせたものよりも、より簡易な表現が求められることになったためです。

 一般的に、概念的なイメージに基づく言葉よりも、見たままを指し示す言葉のほうが浸透しやすいとされています。

 つまり「荷物置き場にいる馬車のタクシー」に由来する「デポハック」よりも、「駅にいるワゴン」という意味での「ステーションワゴン」という言葉のほうが、シンプルかつわかりやすいものであることが、「ステーションワゴン」という表現が一般化した理由と考えられます。

 アメリカにおけるステーションワゴンは、スポーティかつ実用性に富むことなどを理由に1960年代にピークを迎えます。

 しかし、1970年代以降になると、それぞれの用途に特化したバンやSUVなどが一般化したことで、ステーションワゴンは下火となってしまいます。

 その後、日本で空前のステーションワゴンブームが到来するものの、やはりSUVやミニバンに押され、ステーションワゴンはもはや絶滅危惧種となっています。

 ただ、スポーティな走りと高い積載能力を兼ね備えていることからステーションワゴンの復権を望む声は少なくないようです。

積載量が自慢のステーションワゴンだが…国産車では少なくなっている?(画像はスバル「レヴォーグ」)
積載量が自慢のステーションワゴンだが…国産車では少なくなっている?(画像はスバル「レヴォーグ」)

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 一方、高速走行が多いとされるヨーロッパでは、バンやSUVなどに比べて走行安定性の高いステーションワゴンは根強い人気を持っていました。

 その結果、多くのメーカーがステーションワゴンをラインナップするなかで、ライバルとの差別化を図るためにさまざまな名称が与えられることになります。

 前述の輸入車ラインナップでも登場した旅をイメージさせる「ツーリング」や、高級感を強調した「エステート」、狩猟に由来する「シューティングブレーク」。

 先進的というニュアンスが与えられた「アバント」、派生という意味を持つ造語の「ヴァリアント」など、ステーションワゴンを指す実に多くの言葉が生まれています。

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5件のコメント

  1. AUDIのスポーツバック?

    • このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
      修正いたしました。

  2. 2ページ目のステーションワゴンの荷室写真だけど、ライトバン(プロボックス等)と何が違うのだろうとか思ったり。

  3. Audiは『Avant』では

    • このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
      修正いたしました。

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