雲上の乗鞍スカイライン「つの字」トンネルで復旧へ 崩落現場の仮設道路も先駆けて建設

崩落して通行止めが続いている山岳観光道路「乗鞍スカイライン」について、復旧方針が決まりました。

仮設道路は2024年中に暫定供用へ

 2023年1月20日に専門家会議が開かれ、崩落により通行止めが続いている「乗鞍スカイライン」の仮復旧と本復旧の方針が示されました。

乗鞍スカイラインの被災箇所(画像:岐阜県)
乗鞍スカイラインの被災箇所(画像:岐阜県)

 乗鞍スカイラインは、岐阜県高山市の平湯峠(標高1684m)から北アルプス・乗鞍岳の畳平(同2702m)までを結ぶ全長14.4kmの山岳観光道路です。岐阜県道5号乗鞍公園線の大半の区間を占めています。

 森林限界を超えた標高の高い場所をゆくワインディングロードで、「雲上のスカイライン」として知られています。例年、11月1日から5月14日までは積雪のため通行止めです。

 かつてはマイカーも走れる有料道路でしたが、渋滞解消と自然保護の観点から乗り入れが禁止され、無料開放された2003年以降はバスやタクシー、自転車のみが通れます。

 この乗鞍スカイラインで2020年7月、豪雨により土砂災害が発生。翌2021年に一度復旧しましたが、2022年9月に再び同じ箇所が崩落し、以来、全面通行止めが続いています。

 岐阜県は有識者会議「主要地方道乗鞍公園線『路側崩壊』対策検討会」を設置して復旧方法などを検討。

 20日に岐阜大学で開かれた第3回会議では、崩落箇所周辺は複雑な地質構造を有しているうえ、地下水の影響を受けて風化が進んでおり、元ルートでの復旧は不適当といった報告を踏まえ、現場を迂回するトンネルの新設が決まりました。

 トンネルは、約500mの脆弱区間を「つ」の字のように大きくカーブを描いて回避します。延長約600m、幅員7.5m、縦断勾配8.5%、設計速度40km/h、カーブ最小半径R=120mで整備する計画です。

 トンネル工事に際しては仮設道路も設置されます。崩落箇所では地山補強や延長約40mの仮橋構築などにより片側交互通行可能な通り道を確保。斜面の安全を確認しながら、トンネルに先駆けて2024年中には暫定供用にこぎつける考えです。

 そしてトンネルは、2024年に本体工事に着手し、2027年度の完成を目指すということです。

【画像】「つの字」トンネルと仮設道路の計画図を見る(10枚)

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