いまの「愛車」はどうなる? 「クルマ好きだからこそできるカーボンニュートラル」を提言! AE86に込められた思いとは

トヨタ・レクサス・GRは、「東京オートサロン2023」と「TOKYO OUTDOOR SHOW 2023」でさまざまなモデルをお披露目しました。「トヨタはクルマ好きを誰ひとり置いていかない」を共通テーマとした驚きのモデルとはどのようなものなのでしょうか。

トヨタはクルマ好きを誰ひとり置いていかない…その意思表示がすごかった

 昨今の自動車業界では「カーボンニュートラル」というワードが頻繁に登場します。
 
 しかしながらそれらの多くはこれから登場する「新車」に限った話が多いなかでいまの「愛車(保有車)」のカーボンニュートラルも重要だという呼び掛けが東京オートサロン2023でおこなわれました。

「トヨタはクルマ好きを誰ひとり置いていかない」というテーマのもと、世界的に愛される「AE86」をベースにした「AE86 H2 Concept」と「AE86 BEV」がお披露目された
「トヨタはクルマ好きを誰ひとり置いていかない」というテーマのもと、世界的に愛される「AE86」をベースにした「AE86 H2 Concept」と「AE86 BEV」がお披露目された

 2022年10月現在、日本におけるクルマ(四輪車)の保有台数は約7800万台となっている一方で2022年の新車販売台数はコロナ禍などの影響もあり420万台と45年ぶりの低水準となったことが明らかになっています。

 仮に好調だったとして500万台売れたとしても新車だけではカーボンニュートラルの実現は難しいといえ、それが世界に目を向ければ明白です。

 そうしたなかで、2023年1月13日から15日におこなわれた東京オートサロン2023にて、トヨタは2台のAE86を展示しました。

 AE86といえば、1983年にトヨタが発売した「カローラレビン/スプリンタートレノ」の型式名「AE86」となり、モータースポーツへの参戦や漫画、アニメ、映画などに登場したことで世界的に有名なクルマです。

 そうしたなかで、お披露目された2台のAE86は、CO2排出抑制の課題に向き合いながらユーザーが大切な愛車でいつまでも走り続けられることを提案したコンセプトカーとなります。

 1台は水素エンジン車両となる「AE86 H2 Concept」(以下AE86水素)、もう1台が電気自動車となる「AE86 BEV」となり古いクルマでもエンジンやユニットを交換することで、カーボンニュートラルに取り組みながら愛車に乗り続けられるというコンセプトをもっています。

 そうしたなか、東京オートサロン2023のトヨタは「クルマ好きだからこそできるカーボンニュートラルの道がある」、「クルマ好きを誰ひとり置いていきたくない」というテーマを掲げました。

 また同社の豊田章男社長はカンファレンスで次のように語っています。

「この86のように『コンバージョンの先にカーボンニュートラルの実現がある』という世界です。

 多くの自動車メーカーが、2030年から40年頃をターゲットにバッテリーEVへのシフトを目指しています。

 ところが現実には、これから売り出す新車をEVにするだけでは2050年のゼロカーボンは達成できません。

 保有車…つまり…すでに誰かの愛車になっているクルマにも選択肢を残していくことが大切です。

 オートサロンには、自分の大好きなクルマと、カーライフを楽しみたい人達が沢山いらっしゃいます。

 86をコンバージョンした技術は、まだまだこれからですが、本日、こんなお話をさせていただくことで、クルマ好き達がカーボンニュートラルで大好きなクルマに乗れなくなっちゃう…と寂しく思うのではなく。

 クルマ好きだからこそやれるカーボンニュートラルがあるんだと、未来にワクワクしていけたなら今年、世界に向けて、大きなメッセージが発信できるのではないでしょうか」

※ ※ ※

 カンファレンス後に筆者から「企画が報告された際、どのように印象でしたか?」という質問に対して、豊田章男氏は「よしやろう!と即答。AE86は、僕をはじめ色々な人にとってクルマを学んだ思い出のあるクルマ。そんなAE86でやるから意味がある」と話していました。

 さらに愛車のカーボンニュートラルという部分で、自動車ジャーナリストの山本シンヤ氏は「GRヘリテージパーツにいまの性能にした触媒などを展開することで『出来ることからカーボンニュートラル』が可能になるのでは?」という質問が投げかけられ豊田章男社長は「良いこといいますね。分かりました。本当に考えます」と話しており、今後の展開にも期待が出来ます。

 これまで新車ベースで語られることが多かったカーボンニュートラルですが、今後は保有車においてもカーボンニュートラルが語られることも多くなのかもしれません。

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