NTTがコネクティッドカー数千万台規模で社会実装へ!?「つながるクルマ」アッと驚くメリットとは?

NTTがコネクティッドカーに関する新技術を商用化するという報道がありましたが、コネクティッドカーが普及することによってどのようなメリットがあるのでしょうか。

徐々に普及するコネクティッドカー

 一部報道で、NTTがコネクティッドカーの新しい技術を近く商用化するという情報が流れました。それも数千万台規模で、クルマがコネクティッド(つながる)というのです。
 
 いったいどういう仕組みで、ユーザーにとってのメリットはどこにあるのでしょうか。

クルマが“つながる”ことによるメリットは?
クルマが“つながる”ことによるメリットは?

 ユーザーが日頃の運転で直感する「クルマのコネクティッド」といえば、高速道路での自動料金徴収システムであるETCが思い浮かぶでしょう。

 また、車内では、スマートフォンとつないで音楽やSNSなどの情報を共有する、Apple CarPlayやAndroid Autoもクルマのコネクティッドの仲間といえるでしょう。

 一方で、「コネクティッドカー」という表現を使う場合、クルマに搭載されている各種のコンピュータ(CPU)の情報を通信によってクラウドに送信してデータを解析し、それをもとにしてさまざまなユーザー向けサービスに適用することを指します。

 現在販売されている新型車の場合、CPUの数は数十個、また高級車の場合は100個近くにまでおよんでおり、そうした情報を集約してクラウド側と送受信するデータ通信機が標準装備されることが増えてきました。

 例えばトヨタは、「クラウン」(15代目)と「カローラスポーツ」を2018年6月28日に発表したとき、「THE CONNECTED DAY」と題して、豊田章男社長がコネクティッドカーについてプレゼンテーションをおこなっています。

 それによると、クルマの制御ネットワークCANに接続する車載通信機のDCMを、国内で販売するほぼすべての新車に搭載するということでした。

 CANとは「コントローラー・エリア・ネットワーク」の略称で、車載の各種CPUを連携する仕組み、DCMは「データ・コミュニケーション・モジュール」という小さな箱状のような形をしたものです。

 各車のDCMから得られたデータは、トヨタがモビリティ・サービス・プラットフォームと呼ばれるクラウド上の仕組みに集められて解析されます。

 そして、ユーザーが受けられるサービスとしては、例えば走行データ連動型の自動車保険や事故・急病の際のヘルプネット、故障の前兆を把握して販売店とユーザーのSNSなどへの通知などを挙げています。

 実は、この発表の1年以上前である2017年3月27日、トヨタはNTTとの間で「コネクティッドカー向けICT基盤の研究開発に関する協業に合意」を発表しました。

 ICT(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー:情報通信技術)基盤とは、クルマから得られるデータの収集・蓄積・分析をおこなう仕組みを指します。トヨタとしてNTTとの連携を踏まえたうえで、DCMの国内ほぼ全車種導入といったコネクティッドカー戦略の実現に踏み出したということです。

 その成果について、トヨタはソフトウエアエンジニア向けのTOYOTA Developers Nightのなかで「2018~2020年の実証実験成果発表~トヨタとNTTで作るコネクティッドカーICT基盤に迫る」という題目で2021年1月に動画を配信。その時点でトヨタのコネクティッドカーは国内で約100万台、また2025年には国内で500万台、グローバルで2000万台規模になると予測しています。

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