走りも見た目もまるでスポーツカー!? “攻めた”トヨタ新型「プリウス」は若者にウケる?
エコカーのイメージがあるトヨタ「プリウス」ですが、新型モデルは走行性能も見た目も攻めた仕様に刷新されました。この新型プリウスは、若者にも支持されるのでしょうか。
エコカーとして若者人気を獲得したプリウス、新型はどう?
2022年11月16日に世界初公開されたトヨタ新型「プリウス」は、クルマ好きの間では“攻めたプリウス”として話題となっています。
「ハイブリッド」や「エコカー」のイメージが強いプリウスは、近年若い世代からも人気が高いとされているモデルのひとつです。新型にフルモデルチェンジしたプリウスは若者にウケるのでしょうか。
そもそも、「若者に人気のクルマとは何なのか?」というと、多くの人がパッと思い浮かべるのはSUVでしょう。
この考え方は間違っておらず、以前、筆者(西川昇吾)が各自動車メーカーに「若者の販売比率が高い車種」を問い合わせたところ、多くのメーカーのトップ3にSUVがランクインしていました。
トヨタの場合、もっとも若者の購入比率が高いのは「RAV4」で、「ハイラックス」や「ランドクルーザープラド」といったオフロード色の強いSUVが人気。室内高が高いため4人など複数人が乗車しても圧迫感のない車内や積載性が確保できることに加え、視界の良さやアウトドアとの親和性などが若者から支持を集める理由といえるでしょう。
また、若者に人気のあるSUVはミドルサイズ以上の日本では比較的大きいとされるモデルが多く、SUVらしい迫力のあるボディサイズとデザインが人気の理由にもなっていそうです。
SUVが若者に人気となっている理由を考えると、「プリウスは若者にウケるのか?」という問いに対しては疑問を感じるところではあります。
前述のように新型プリウスは攻めたモデルとしてクルマ好きの間で注目されていますが、その「攻め」の方向性はどちらかといえばスポーツカーテイストです。
全高を低く抑えたシャープなスタイリングに19インチの大径ホイール、加速性能を進化させた新型のパワートレインなど、先代から比べると、まるで「新型スポーツカーが登場しました!」といわんばかりの進化を遂げました。
以前プリウスが若い世代からの人気が高いと話題になったときは、その経済性や環境性能の高さなどが理由とされていました。つまらない理由だという意見もあるかもしれませんが、そのような保守的な理由が人気の原因だったとすれば、今回の攻めの進化はプリウスを支持していた若者にとっては望ましい進化とはいえないかもしれません。
さまざまなハイブリッド車が存在する現在では、プリウスを超える経済性や環境性能、利便性を持つモデルも多く、現実的な若者がそちらを選ぶことは大いにあり得るでしょう。
では、プリウスは若者にまったくウケないのかといわれると、そうともいい切れないと思います。近年登場したクルマのなかにも、走りの良さを売りにしたクルマで若者からの支持が高いクルマが存在しているからです。
その一例がホンダ「シビック」です。販売台数こそ多くはないですが、2021年に登場した直後の段階では20代の販売比率がもっとも多いとホンダから発表があり、現在でも若い世代の購入者が多いといいます。
シビックが若者に人気がある理由はさまざまありますが、本格的なスポーツカーと異なり、一定の利便性が確保されつつも走りの良さや、スペシャリティカー的な質感の高さなど「いいクルマに乗っている」と感じされてくれる、“ちょっと贅沢”な雰囲気があるモデルだからでしょう。
この“ちょっと贅沢”というのがポイントで、今どきの若者は派手に目立つのを嫌う傾向にあり、だからといって質素な雰囲気を好む訳でもありません。目立たないけど贅沢な雰囲気があるのが若者にウケるクルマのひとつの方向性といえるでしょう。
新型プリウスにおいても、走りの良さと先進的なイメージを持った質感の高い室内など、“ちょっと贅沢”なところが若者に響いて人気を得る可能性も大いにありそうです。
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