免許を持っていても「無免許」になる? 複数存在する「無免許運転」の定義とは
じつは「無免許運転」には複数の行為があります。どういった行為が該当するのでしょうか。
「うっかり」に注意? 「無免許運転」の定義とは
無免許運転には、じつは該当する行為が複数あります。
では、具体的に無免許運転とはどのような行為をさすのでしょうか。
警察庁の統計によると2021年中の無免許運転の取り締まり件数は1万8844件であり、1日あたりでいうと50件以上が検挙されている計算になります。
無免許運転は道路交通法第64条第1項に規定されており、公安委員会の運転免許を受けないで自動車または原動機付自転車を運転することを禁止しています。
無免許運転をおこなった場合、違反点数25点のほか、罰則として3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される可能性があり、数ある交通違反の中でも比較的重い処分といえるでしょう。
そんな無免許運転ですが、じつは該当する行為が複数存在します。
たとえば、これまでに一度も運転免許を取得したことがない人がクルマなどを運転する「純無免許運転」は、イメージとしてすぐに思い浮かぶ人も多いでしょう。
このほか、免許の取り消しを受けた後に運転をおこなう「取り消し後無免許運転」や、運転免許の効力が停止中または仮停止中に運転する「免許停止中無免許運転」なども無免許運転に当てはまります。
また、普通免許しか持っていないのに大型自動車を運転したり、第一種免許で第二種免許が必要なバスやタクシー(営業中に限る)などを運転する「免許外無免許運転」や、運転免許の有効期間が切れた状態で運転する「失効後無免許運転」も挙げられます。
運転できる自動車等の免許を取得していない場合はもちろんですが、免許証の有効期限が切れた状態は「失効」となるため、無免許運転に該当することになります。
さらに、免許証の交付を受ける前に運転をした場合や、仮免許の状態で買い物に行くなど練習目的以外で運転をした場合も無免許運転として検挙される可能性があるなど、「無免許運転」とひとことでいってもさまざまな行為が当てはまるのです。
故意に無免許運転をしようとする人は少ないでしょうが、仕事が多忙で運転免許の更新を忘れていたというように免許を「うっかり失効」してしまうケースや、クルマなどを使った仕事に従事している人で、勤め先の管理者などからの「運転できる」という言葉をうのみにして取得していない免許のクルマなどを運転してしまうケースなどはたびたび発生しています。
自分の運転免許の有効期間をきちんと把握しておくほか、仕事でクルマを使用する人は車検証を見て、自分の持っている運転免許で運転できる車種なのかどうかをよく確認しておきましょう。
そして自分が無免許運転をしないことはもちろんですが、運転免許を持っていない人にクルマなどを貸す行為や、無免許運転のクルマに同乗する行為にも注意しなければいけません。
道路交通法第64条第2項では、無免許運転をするおそれがある人に対して自動車や原動機付自転車を提供する行為を禁止しており、また第3項では運転者が無免許であることを知りながら自動車等に乗せるように要求・依頼するなどして同乗することを禁止しています。
無免許と知りながら自動車等を提供した場合には、罰則として3年以下の懲役または50万円以下の罰金、また同乗した場合には、2年以下の懲役または30万円以下の罰金の可能性があるほか、無免許運転をした人と同じ違反点数が科されることになります。
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一度も免許を取得したことのない人がクルマなどを運転することや、自分の取得していない免許のクルマなどを運転することなど、さまざまな行為が無免許運転に該当します。
免許の有効期間が切れているケースや自分の持っている免許で運転できると勘違いするケースなど、故意ではなくても無免許運転になる事例があるため、定期的に運転免許の有効期間を確認したり自分が運転できる車種について改めて知っておくことも大切といえるでしょう。
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