「ライトまぶしすぎ!」 車の「ハイビーム」 正しい使い方できてる? 事故・トラブルを防ぐハイビームの活用法とは

近年、ハイビームを点灯させたままのクルマをよく見かけ、まぶしいと感じることがあります。しかし、警察庁や各団体などから「ハイビーム」を推奨する啓蒙がおこなわれています。どのように使い分ければ良いのでしょうか。

クルマの「ハイビーム」 正しい使い方知ってる?

 街中では、ヘッドライトを上向きにする「ハイビーム」を点灯させたままにしているクルマを見かけることがあります。なかにはまぶしいと感じる人もいるでしょう。
 
 その一方で、警察庁や各団体などはハイビームでの走行を推奨しています。ではどのように使い分けると良いのでしょうか。

間違えると「眩しすぎ」 正しく使えば事故予防につながる「ハイビーム」
間違えると「眩しすぎ」 正しく使えば事故予防につながる「ハイビーム」

 夜間クルマを運転する際に点灯させるヘッドライトは、いわゆる「ロービーム」と「ハイビーム」の2種類があります。

 道路運送車両法でヘッドライトは「前照灯」といい、そのなかでもロービームは「すれ違い用前照灯」といい前方40mを視認できなければならず、ハイビームは「走行用前照灯」といい前方100mを視認できなければならないと定められています。

 なかでもハイビームは、街灯が少ないなど暗い道を走行する際に使用することで、ロービームよりも前方を照らすため、歩行者などを早期に発見でき、事故予防につながります。

 とくに最近では積極的にハイビームを活用するよう推奨する動きも出ています。

 警察庁が公表した「平成29年上半期における交通死亡事故の特徴」では、ハイビームを活用したことによる事故抑止効果を公表しており、夜間に発生したクルマと自転車との事故のうち約56%の事故で衝突回避ができた可能性が高いと分析しています。

 また、JAF(日本自動車連盟)が過去に実施した「ハイビームとロービームでの停止位置の違い」というテストでは、時速80kmでの走行時にテストコース上の障害物を発見して停止するまでの距離を測定。

 ロービームでは平均5.6m手前、ハイビームでは平均82m手前で停止することができたという結果が出ています。

 このように夜間のハイビームの活用は、各都道府県警察庁などが推奨していますが、実際のユーザーからは「ハイビームのクルマ多くない?」「ハイビームのままのクルマがいてまぶしい」という声もあるようです。

 また近年では、ハイビームを含めライト類が従来主流であったハロゲン式などに代わって、LEDを採用する車種が増えてきています。

 そのため、ハロゲンの淡黄色ではなくLEDの白く鋭い光で照らされることもより眩しいと感じる原因のひとつと考えられます。

 道路交通法第52条第2項では、「車両等が、夜間、他の車両等と行き違う場合または他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げる恐れがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない」と明確に定められています。

 このように、適切でないハイビームの使用はほかの交通を眩惑させるため、対向車とすれ違うや、前方に他車がいる場合などはロービームを使用するなど、使い分けることが重要だといえます。

※ ※ ※

 近年では、先行車や対向車のライトを認識し、ハイビームとロービームを自動で切り替えるオートハイビーム機能を装備するクルマが増えています。

 ただし、歩行者や自転車を認識しないこともあり、市街地などでは手動で切り替える必要があるため、ドライバーが意識的に操作をすることが必要です。

 また、2020年4月からは周囲の明るさに応じてライトを自動点灯するオートライトが義務付けられていますが、点け忘れや点けっぱなしを防ぐためにも機能を過信しないことが大切です。

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