ドライブ中に「眠い…」 なぜクルマに乗ると「眠くなる」!? 意外と知らない「メカニズム」とは
空調の「内気循環」と「外気導入」の違いが眠気に及ぼす影響とは
JAF(一般社団法人 日本自動車連盟)は、ドライブ中の車内環境について検証した結果を2019年5月に公表しています。
テストの主な内容は、空調の「内気循環」と「外気導入」における車内の二酸化炭素濃度の比較です。
なお内気循環は、カーエアコンを急速に効かせたいときや、トンネル内の渋滞など外の汚れた空気を取り入れたくないときに使用するモードで、クルマの空調に切り替えスイッチが備わっています。
同じ車種(ミニバン)を用意し、それぞれに4人乗車のうえ、エアコンは26度オートに設定。エアコンフィルターは新品に交換し、窓は締め切るなどの条件を揃え、高速道路、郊外(山道)、市街地をそれぞれ1時間走行し、車内の二酸化炭素(CO2)濃度の調査結果を比較しています。
結果は、外気導入はすべて1000ppm前後にとどまっているのに対し、内気循環のそれぞれの最大値をみると、高速道路で4520ppm、郊外(山道)は4730ppm、市街地は6770ppmとなりました。
つまり内気循環の市街地走行では、1時間で外気導入の走行のおおよそ5倍以上二酸化炭素濃度が増加する結果だったのです。
東北大学 大学院 医工学教授の永富良一氏は本テストに対し、次のコメントを寄せています。
「二酸化炭素濃度が3000ppmを超えると人は眠気が強くなり、注意力の低下が現れるとされています。
安全運転のため、内気循環の場合は少なくとも1時間に1回の換気をするとよいでしょう」
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このようにドライブ中に起こる眠気を、できるだけ抑えられるポイントがいくつかあります。
まずは「換気」です。車内環境のテストからもわかるように、締め切った車内で二酸化炭素濃度が高くなると眠気が強くなることがわかっています。
定期的に空調を外気導入にし、車内の空気を入れ替えるようにしましょう。外の空気が入ることで気持ちもすっきりします。
続いて定番ですが「カフェイン+仮眠」です。
コーヒーや紅茶などカフェインが含まれている飲み物を摂取した場合、覚醒効果が現れるのがおおよそ15分後といわれています。その間に軽く仮眠を取ることで身体をすっきりさせることができます。
休憩時の「ストレッチ」も有効な手立てです。
乗車中は同じ姿勢で長時間座っているため、血行不良になります。そのため脳への血液が流れにくくなり眠気の原因になるといわれています。
2時間を目安にクルマから降りて散歩やストレッチして身体をほぐすと、身体全体から脳への血流も改善できます。
そして「音楽やラジオ」もドライブの気分転換には欠かせません。
お気に入りの音楽を聴く、またはラジオを聞くことで聴覚を刺激し、脳を活性化させることでリフレッシュし、眠気が抑えられるといわれています。
そして意外と効果的なのが「同乗者と会話」です。
同乗者がいる場合、同乗者と会話することで、耳から情報を得て、脳で考え、口から話すという3つの作業が加わるので、頭が冴えて眠気を予防できます。
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ドライバーは安全運転のため、同乗者はドライバーへの心遣いのため、換気やカフェイン摂取など、眠気を抑えられる方法をうまく取り入れて、楽しいドライブにしましょう。
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