ドライブ中に「眠い…」 なぜクルマに乗ると「眠くなる」!? 意外と知らない「メカニズム」とは
運転中にふと訪れる「眠気」はどうにか回避したいものです。ロングドライブの多い年末年始に向け、眠気の原因やその対策、さらに予防法について紹介します。
眠気が起こるメカニズムにはさまざまな要因があるらしい
長距離ドライブ中、ふと眠気が訪れた経験は誰でも覚えがあるでしょう。
この「車内で眠くなる」ことにはいくつかの理由があるといいますが、対策や予防法はないのでしょうか。
同乗者であってもドライバーであっても誰もが経験をしたことがある、長距離ドライブ中の眠気。
2022年3月に警察庁交通局が発表した、ドライバーの居眠り運転が原因の死亡・重傷事故(飲酒事故を除く)は、2021年では265件あったといいます。
大学の研究グループや自動車関連機関は、車に乗る前はとくに眠気はなかったのに、乗車してしばらくすると眠くなる不思議なメカニズムや要因について日々調査をおこなっています。
なかでも注目しているのは身体の睡眠サイクルや振動、周波数、そして呼吸だといいます。
クルマに乗る前は全然眠くなかったのに、なぜかクルマに乗ってしばらくすると眠たくなってしまう不思議な現象。
運動神経、視覚や聴覚に緊張が少ない同乗者にこの現象が早く現れるといわれています。
考えられている要因はさまざまです。
広島大学 大学院総合科学研究所教授の林 光緒氏が2013年に国際交通安全学会誌で発表した論文「居眠り運転発生の生理的メカニズム」では、主に次の要因を挙げています。
まずは「睡眠不足」が挙げられます。慢性的な睡眠不足が蓄積している場合、大きく身体を動かさずじっとしていると眠気が強くなるといわれています。
続いて「食べ過ぎ」の場合。
サービスエリアなどでの食事で大量の糖質を摂取した場合、体内は血糖値が急に上昇し、その後急降下します。身体が低血糖状態になると、脳への栄養が不足してしまい、眠気や身体の不調が現れます。
環境によって異なるタイミングで発生する「眠気のリズム」も要因として考えられます。
単調な環境にいると、2時間おきに眠気のリズムがやってくることもあれば、24時間より長い周期で眠気が起こる場合もあります。このリズムの変化と重なると強い眠気になる傾向があります。
高速道路や変化の少ない単調な道路を運転している際に起こる現象「高速道路催眠現象(ハイウェイ・ヒプノーシス)」も要因となります。
交差点やカーブがなくブレーキや確認操作が少ない状態で運転していると、意識はあるものの居眠り運転に近い状態になり、瞬時の判断に遅れる場合があります。
そして「クルマの振動」も少なからず影響を及ぼします。
赤ちゃんを寝かしつける時に、抱っこして単調なリズムで揺らすシーンが見られますが、車内も近い状態になるといわれています。
オーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学の研究によると、人はクルマやトラックの「低周波始動」を連続して感じると、15分を過ぎた頃から眠気を感じる人が増えることがわかってきています。
そして「二酸化炭素濃度」です。
オートエアコンの車内は締め切って乗車し、乗車人数が多いほど二酸化炭素の濃度は高くなり、設定を内気循環にするとこのスピードがさらに早まります。
二酸化炭素濃度が3000ppmを超えると、人は眠気、頭痛、吐き気、倦怠感を感じ始めるようになるといわれています。
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