雪道走るなら「2WD」と「4WD」どっちがイイ? 万能に見える4WDに意外なデメリットがあるってホント?
2WDで雪道を走るときの注意点
雪道では4WDに軍配が上がるようですが、2WDであってもちろん走行できます。
実際に多くの2WD車が雪道を走っていますし、あくまで4WDのほうが優位という話。ただし、2WDならではの雪道走行での注意点はあるようです。
「2WDでも雪道を安全に走行したいのであれば、TCS(トラクションコントロール)や横滑り防止装置、ABSなどが装備されているクルマが良いと思います。
とくに横滑り防止装置は、コーナリングなどでクルマの挙動が乱れたとき自動でブレーキとアクセルをコントロールしてくれます。よほど古いクルマでなければ付いているはずです」(元スキー選手のT整備士)

また、雪道走行の上手・下手は経験値の多さによって比例するともいわれています。刻一刻と変化する路面状況を走行するたびに、感覚的に安全な走行が分かってくる部分もあるそうです。
「口で伝えるのは難しいのですが、雪上走行を繰り返していると『ここまでいったら危ないな』という感覚が身に付いてくるものです。
ハンドルを通じてタイヤが雪を踏んでいる感触や、駆動輪が路面と接している感覚などが分かってくると、2WDでもそれなりのペースで走行できるようになります。
また急な登坂は避けるようなルートを選ぶというのも、2WDで雪上走行するうえで重要なことです。平坦なルートであれば2WDで挙動を乱すことも減るでしょう」(元スキー選手のT整備士)
またT整備士いわく、急加速はもちろん危険ですが、急減速させるのも危険なのだとか。とくにFR車の場合、急減速はシフトロックを誘発する可能性もあり、トランスミッションを傷めるだけでなく、挙動が大きく乱れる原因にもなるのだそうです。
「シフトロックとは、シフトダウンによって急激に回転数が上がりタイヤがロックする状態のことです。
意図的にドリフトさせるきっかけにもなりますが、雪上走行ではコントロールを失うことに等しい危険性があります。
とにかく雪道では『穏やかな加速・緩やかな減速』を心がけていただければ、より安全に走行できると思います」(元スキー選手のT整備士)
またスタッドレスだけでなくタイヤチェーンが必要なほどの大雪になると「チェーン規制」が発令される地域もあり、この場合は2WD・4WDに関係なくスタッドレスを履いていてもタイヤチェーンの装着が義務付けられます。
タイヤチェーンは、発進と停止には効果的なのですが、カーブや轍で横にズレる危険性もあります。
カーブ手前の直線で十分に速度をコントロールしてゆっくりと曲がり、車間距離を十分に取って制動距離を確保しておくことで、多少グリップ力を失っても事故を防げるような運転を心がけましょう。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。















