実は「4WDは雪道無敵」じゃない!? 昔の定説は通じない? 過信禁物な雪道運転…事前に知っておくべきコトとは

あなたの「雪道知識」は間違っていませんか。昔からいわれている対策方法のなかには現在では通用しないものもあるようです。雪道を運転するうえで事前に知っておきたいコトとは、どのようなものなのでしょうか。

「実は間違っているかも!」 雪道運転知っておきたいコト

 本格的な冬シーズンとなり、地域によっては積雪しており、そのような場所に出向くことも多くなります。

 昔からいわれている対策方法のなかには現在では通用しないものもあるようですが、どのような部分に気をつけておけば良いのでしょうか。
 
 また「4WDだから雪道に強い」という話を聞きますが、それは本当なのでしょうか。

実は間違っているかも? 雪道ドライブで昔からいわれる定説はいまは通じない?
実は間違っているかも? 雪道ドライブで昔からいわれる定説はいまは通じない?

 基本的に雪道を走るうえで、駆動方式に関係なく注意したいのが「急のつく動作はしない」という、急ハンドル・急ブレーキ・急アクセル操作をしないということです。

 これらはすべてスリップに繋がります。もしクルマが滑りはじめているのであれば、「全身全霊でブレーキペダルを踏む」ことです。

 昔は「ポンピングブレーキをおこなう(小刻みにブレーキを踏むこと)」などと習ったものですが、現代ではそれはNGです。

 現代のクルマには、ほぼABSが標準装備となっており、ABSはタイヤのロックを感知すると、ブレーキを油圧で調整して、自動的にポンピングブレーキのような状態を作ります。

 ABSは、タイヤがロックすればするほど利くという特質を持っているため、ひたすらブレーキペダルを踏み続けたほうが短距離で停止することができるのです。

 もうひとつ重要なのは、コーナーの最中にアクセルを戻さないことです。

 アクセルを戻すとバックトルクが始まり、ギアのポジションによっては前輪、後輪の順で急激に減速を始め、瞬間的にタイヤがロック状態となり、グリップを失います。

 そのためコーナーに入る前には、ポンピングブレーキ気味に優しくペダルを踏み、長い距離をかけて減速していきます。

 コーナーに入ったら、アクセルを一定の状態で踏み続け、コーナーの終盤になったら再び踏み込みます。

 そして、雪道を走るうえでよく聞く話として「僕のクルマは4WDだから雪道に強い」というような台詞です。

※ ※ ※

 3シーズン(春・夏・秋)では、大雨のときくらいしかありがたみを感じませんが、冬になると絶大な威力を発揮してくれるのが四輪駆動、いわゆる4WDシステムですが、雪道でスリップしないわけではありませんし、スタックもします。

 昨今は、軽トラックから超高級SUVまで4WDの設定があり、雪道だけでなく、ダートや不整地、スポーツ走行までさまざまなシーンでドライバーをアシストしています。

 4WDというと、4本のタイヤにエンジンの力が伝わっていると思いがちですが、実はシステムよって異なります。

 まず『パートタイム4WD』と『フルタイム4WD』では、まるで違い機構が採用されています。

 さらに、フルタイム4WDのなかにも、『パッシブトルクスプリット』と『アクティブトルクスプリット』の2タイプがあり、価格帯によって採用されるシステムが異なります。

 実際にパートタイム4WDを採用している現行車はというと、スズキ「ジムニー」やトヨタ「ハイラックス」、ジープ「ラングラー」ですが、ラングラーにはフルタイム4WDモードが付いているため、厳密にはジムニーだけになります。

 パートタイム4WDは、通常はFRですが、トラランスファーをシフトすると4WDに変化するシステムです。

 4WDにおいても、通常走行用の4WD-High(4H)と、超不整地走行、脱出、牽引用の4WD-Low(4L)というギア比を選べるのが特徴です。

 この4Lはクラッチを傷める恐れがある、深雪走行やスタック車の牽引で絶大な威力を発揮してくれます。

 ちなみに、パートタイム4WD車で4WDに切り替えるタイミングですが、道路上に雪片が落ちていたり、極端に道が濡れていたら、その先は積雪している可能性があります。早めに切り替えをしておくと安心です。

 パートタイム4WDは、前後対角線上の2輪が空転(対角線スタック)しなければ前進できるという特徴がある一方で、実は凍結路など低ミュー路のコーナーでは運転に注意が必要です。

 というのも、パートタイム4WDには前後輪の回転差を吸収するためのセンターデフが装備されていません。

 そのため、Rの大きなカーブにハイスピードで入った場合など、後輪からスリップを始める場合があります。

 リカバリーが早ければコントロールできますが、場合によっては四輪がグリップを失って、車両がアウト側に飛び出すことも。

 腕に自信がある人は別として、パートタイム4WDを雪道でドライブする場合は、ハイスピードにならないようにしたほうが無難です。

 加えて注意しなければならないのが、深雪。強力な駆動力で深雪をグイグイと進んでしまうため、スタックしたときは簡単に脱出できないような状況になることが多々あります。

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2件のコメント

  1. 居る居る。俺の車は四駆だから大丈夫だって言う人。

  2. 山道の凍結路では、2駆は登れない時点で諦めるんだけど、4駆は登るほうは相当なレベルまで登れてしまう。ところが下りは駆動形式による限界差は登りよりずっと小さいため、それが原因で泣くことに。
    登れるけれど、降りられない。
    4WDは所謂「魔法の杖」では無いので、条件によってはむしろ足枷になることもある。調子に乗って登ってしまった結果、帰りの下り坂で曲がり切れず路外に飛び出して…ってパターンが多いね。
    駆動形式問わず、それぞれの特性を良く知って乗るべきかなとは思う。

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