完全にパクリ!? アルファード顔の新型「バン」発表目前! 全長3.5mのミニアルファードが中国で間もなく登場か

まさしく…アルファード顔!? 全長3.5mのミニアルファード風モデルとは

 この小型EVは「未奥」というブランドで展開を予定しており、このブランド自体も新たに立ち上げられるものです。

 車種名は「BOMA」、サイズは全長3517mm×全幅1495mm×全高1660mmと、日産の軽自動車「デイズ」とほぼ同等になります。

 それどころか、リアクオーターやフロントフェンダーの造形までデイズとほぼ一緒です。

 そして極め付けはそのフロントマスク。

 中国でも人気のアルファードの顔面を丸ごと移植したかのようなものとなっています。

 特徴的なグリルだけでなく、フォグランプのハウジングやヘッドライトの造形までもがそっくりであり、ひと言で表すなら「アルファード顔のデイズ」というべきでしょうか。

 モーターは出力30kWのものを搭載していますが、バッテリーのスペックに関しては不明です。

 工信部の情報には重量が異なる2つの仕様が届けられており、それぞれ重量には40kgの差異が見られるため、2種類のバッテリー容量を取り揃えている可能性が高いといえます。

 また、タイヤサイズは「155/65R14」と「165/55R15」の2種類が記載されており、グレードも少なくも2種類は用意されることでしょう。

 それ以外の情報については、発表・発売時期や価格含め、一切の詳細は不明となっています。

 中興汽車は昨今の「小型EV」ブームに乗っかってあわよくば起死回生を成し遂げようと画策しているかもしれませんが、それは不可能に近いことと筆者は考えます。

 今までピックアップトラックしか手掛けてこなかったメーカーが焦りを感じて急ごしらえで出すEVに消費者は注目もしないでしょう。

 急ごしらえどころか、デザインも日系メーカーの丸パクリであり、本当に本気で作るつもりがあるのかと疑問を投げかけたくなるようなクオリティです。

 中国の消費者たちのなかでは「パクリは恥ずかしい」という共通認識がますます大きくなっており、資金力にあふれる大手メーカーはこぞって海外メーカーよりデザイナーを引き抜き、オリジナルのカッコ良いデザインを完成させています。

 それとは対照的に、中興汽車のような泡沫にまで成り下がってしまったメーカーはそのような体力もなく、粗悪品の焼き増しを繰り返すしかない状況です。

 そのうえ、小型EV市場は競合相手が数えきれないほど存在する「レッドオーシャン市場」なので、吹けば飛ぶようなメーカーである中興汽車のEVは大ゴケする可能性が高いといえます。

 このような、パクリの風潮から脱却しつつある中国自動車業界の顔に泥を塗るような弱小自動車は何もしなくても消えていく運命にあるので、中興汽車の今後に注目です。

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Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

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