ハイ/ロービーム論争は終結か 新技術で覆るヘッドライトの「常識」

「まぶしくないハイビーム」、実は完成済み 残る課題は…?

「ADB(配光可変ヘッドランプ)」や「ALH(アダプティブ・LED・ヘッドライト)」、「マトリクスLEDヘッドライト」などと呼ばれるそのヘッドライトは、ライト自体に工夫することで、対向車や前走車に光を当てないというものです。

 方法としては2通りあります。ひとつは、「ヘッドライト内に動くシェードを組み込んで、光を当てたくない部分だけを遮光する」というもの。もうひとつは、「複数のLEDヘッドライトで、光をブロックごとに分けて投射し、対向車や前走車に当たる部分のLEDだけを消す」という方法です。

 ポイントは、技術的にはすでに完成していて、普及はコストとの戦いだけということ。ある程度の時間が過ぎて、それなりの数が出回るようになれば、最後は爆発的な勢いで普及するのではないでしょうか。

 たとえばアウディの「TTロードスター」は「LEDヘッドライト」を標準装備しますが、オプションメニューとして「マトリクスLEDヘッドライト」が選択でき、2016年10月現在、その差額は14万円です。これについてアウディジャパンは、将来のことに関し確実なことはいえないとしつつも、他社製品を含む「まぶしくないハイビーム」のヘッドライトについて、「時間はかかるかもしれませんが、確実に普及するでしょうし、そうすれば価格面にも反映されるでしょう」と話します。

「『マトリクスLEDヘッドライト』は、たとえば断続的に対抗車がくるような(その都度ハイ/ローを切り替えなくてはならない)高速道路などで特に便利です。ぜひ一度、お試しいただきたいと思います」(アウディジャパン)

 こうしたヘッドライトの普及が進めば、ハイ/ロービームの論争など、過去の笑い話になるはず。意外と、2020年ごろには、そうなっているかもしれませんよ。

【了】
提供:乗りものニュース

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