トヨタ「アルファード」が2000万円超!? 日本の超高級ミニバンがアジアの富裕層にウケる訳
海外旅行で人気のタイでは日本車がたくさん走っています。なかでもトヨタ「アルファード」が人気だというのですが、一体なぜなのでしょうか。
タイの生活ではクルマが必要不可欠
新型コロナウイルスの影響はあるものの、渡航規制が緩和され、海外旅行も気軽に行けるようになりました。
海外に行くと日本車を見かけることがありますが、旅行先として人気の東南アジアでもたくさんの日本車を目にする機会があります。
アジアには国産車メーカーの海外生産拠点があることや、自国の自動車メーカーがないこともあり、現地では日本以上にメーカーと関わりを持っている人も多いようです。
なかでもタイは、親日国家として良好な関係が続いており、以前から日本の自動車メーカーをはじめ多くの日系企業が進出しています。
そんななか、日本でも絶大な人気を誇るトヨタの高級ミニバン「アルファード」がタイの富裕層を中心に人気だといいます。
首都バンコクにある日系の人材育成会社に10年以上勤続しているOさん(40代男性)に、タイのクルマ事情について聞いてみました。
「タイは、首都バンコクの中心部に『BTS』と呼ばれる鉄道網がありますが、地方では交通公共機関として鉄道は完備されていません。そのため、ほとんどの人がクルマやバイクを生活の足として使っています。
タイでクルマに乗る人が多い理由は、外気温が高いからです。タイの人たちはあまり歩くのが好きではなく、エアコンが効いたクルマで移動するのを好む傾向があります」
クルマ利用が盛んなタイですが、クルマは超高額品です。その理由はクルマの輸入関税率が高いから。一説では新車の関税率は200%ともいわれており、中古車でも同じように高い関税率がかけられています。
つまり日本での新車価格の約3倍となり、たとえば日本で100万円の中古車がタイでは300万円以上の価格になってしまうのです。
さらに中古車は「輸入許可取得必要品目」に分類されるため、個人か政府関係、再輸出目的に限定されるなどハードルが高く、結果として高額商品なのに新車が多く走っています。
そしてアルファードは、日本での販売価格は359万7000円から742万1000円ですが、タイでは上級グレードになると2000万円以上という超プレミアム価格になってしまいます。しかし、それでも欲しがる人は多いのだそうです。
「タイでは日本以上に貧富の差が大きいのですが、首都バンコクでは日本以上にお金持ちの人も多く、そういった富裕層がプレミアムサルーンとして購入しているようです。
また日系企業や日本との貿易関係の法人向けとして輸入されているアルファードも多いです」(タイ在住 Oさん)
実際、バンコクの街角では意外にも多くのアルファードを見かけることができます。
「私の知り合いの日系企業でも法人用(社用車)としてアルファードを所有しています。主に日本の本社からの接待や移動などに用いることが目的ですが、普段の移動にも使われているようです。なんといってもステータスの高さはタイでも有名ですから」(タイ在住 Oさん)
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