新型軽EVが「好調!」デビュー半年弱で2.1万台販売 新型「サクラ」「eKクロスEV」が注目される理由とは
2022年6月に発売された軽EVの日産「サクラ」と三菱「eKクロスEV」が、デビュー半年弱で約2.1万台を販売し好調です。いま国内で軽EVが注目される理由とは、どこにあるのでしょう。
実質180万円から「買える」! 価格の安さも魅力の「軽EV」
2022年にデビューしたばかりの軽EV(電気自動車)が好調な売れ行きです。
12月6日に発表された販売台数速報によると、日産「サクラ」と三菱「eKクロスEV」の累計販売は約2.1万台に及ぶといいます。いま国内で軽EVが注目される理由を探ります。
現在日本における新車販売は、およそ4割を軽自動車が占めています。
地方での公共交通の淘汰が進み、生活の必需品として自家用車がひとりに1台の規模で普及するなか、維持費の安い軽の需要はますます高まるばかり。
そんななかでひときわ注目を集めたのが、2022年6月に販売を開始した軽EVの2モデル、日産の新型サクラと三菱の新型eKクロスEVです。
一般社団法人 全国軽自動車販売協会連合会(全軽自協)がまとめた販売台数速報によると、2022年11月度の合計販売台数は3807台を記録(サクラ:3497台/eKクロスEV:310台)。
また6月から11月までの5か月の累計販売台数は2万1742台に及び、メーカーによればさらにいまも納車待ちが続いているといいます。
日産と三菱は現在、軽乗用車を共同で開発・生産。サクラ/eKクロスEVも同様に兄弟モデルですが、2社独自のデザインにより、異なる個性でまとめられています。
サクラは、日産の最新電動化モデルに共通する先進性を強調したデザインなのに対し、悪路に強いSUVを得意とする三菱は、こうしたタフなイメージをeKクロスEVにも与えています。
そんなサクラ/eKクロスEVは、性能面でも他のEVとは異なる特徴があります。
EVは一般にガソリン車に比べ充電時間がかかり、1充電あたりの航続距離も課題とされています。
そのため国内外の高級なEVでは軒並み大型のバッテリーを搭載し、大容量の急速給電設備にも対応することで、EVが持つ課題の解消を図っていますが、その分とても高価なモデルとなってしまいます。
しかしサクラ/eKクロスEVは、あくまでも生活の足として活躍する軽自動車です。
例えば日産の高級クロスオーバーEV「アリア」は、大容量バッテリー搭載で、およそ470kmから610kmの航続距離を確保(WLTCモード、以下同)します。
一方でサクラ/eKクロスEVはバッテリー搭載量を抑えたことで、航続可能距離も最大180kmと設定しています。
日産によると、軽自動車ユーザーのうち、1日の走行距離が30km以内だという人が全体の半数以上を占めているとの調査結果を報告しています。
仮に1日30kmなら5日に1回の充電、しかも自宅での普通充電で対応可能という計算が成り立ちます。
あくまでも計算上の話なので、実際には使い方により大きく異なりますが、いずれにせよ自宅での普通充電も1晩(約8時間)で完了することから、多くのユーザーの用途にも十分対応できると日産は説明しています。
EVの価格を大きく左右するバッテリー容量を抑えたことで、消費税込み価格も233万3100円から(サクラ)と低価格に設定。
さらに2022年12月上旬現在、国のEV普及促進を目的とした「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」が55万円支給されることから、実質的な販売価格は約180万円と、通常の軽自動車とほぼ変わらない価格で手に入れることが可能となるのです。
前出の高性能なクロスオーバーEV、アリアの価格は、もっともベーシックなモデルでも539万円から。
国の補助金(アリアの補助金は85万円から92万円)を差し引いても400万円台と高価なモデルであることを考えると、サクラ/eKクロスEVの安さが際立ちます。
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軽が普及する地方都市などでは近年、ガソリンスタンドの閉店が問題になっているといいます。
給油のために遠くのスタンドまで数十キロも移動するとなれば、コストも手間もかかりますが、電気なら全国どの家庭にもつながっています。
自宅に充電口を用意できるユーザーなら、今後軽EV導入を検討するケースはますます増えていくかもしれません。
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