わずか15年で「スライドドア」覇権ゲット!? 「ハニカミ王子」で賑わせた2007年から新車販売上位はどう変わった?

2022年のランキングは「買い得感」のニーズがさらに加速

 対する2022年のランキングは以下のとおりです(※注)。

●2022年(1月から10月)新車販売 暫定ランキング

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・1位:ホンダ「N-BOX」(16万7963台)

・2位:トヨタ「ヤリス」(14万4421台)

・3位:トヨタ「カローラ」(11万168台)

・4位:トヨタ「ルーミー」(9万3517台)

・5位:日産「ノート」(9万569台)

(※注:2022年1月から10月までの数値です)

背をさらに高くし、後席両側にスライドドアを採用したことで、ファミリー層も含めたユーザーから支持を集めた軽スーパーハイトワゴンの大ヒット作、ホンダ「N-BOX」(2代目モデル)
背をさらに高くし、後席両側にスライドドアを採用したことで、ファミリー層も含めたユーザーから支持を集めた軽スーパーハイトワゴンの大ヒット作、ホンダ「N-BOX」(2代目モデル)

 ランキングは見事に入れ替わり、唯一車名が残っているのは、1966年から続く老舗ブランドのカローラのみという点に15年の時の流れを感じます。

 ただしヤリスは、2020年のフルモデルチェンジ時にコンパクトカーのヴィッツが車名を変えたものです。

 とはいえ2022年現在、ヤリスの数値にはコンパクトSUV「ヤリスクロス」や4WDスポーツカー「GRヤリス」の台数も含まれた合算の数値となります。

 そんななかで注目したいのは、1位のN-BOXです。

 N-BOXは、ワゴンRに比べさらに背の高い「軽スーパーハイトワゴン」カテゴリーに属しています。

 2011年12月(現行モデルは2017年9月登場の2代目)に誕生した新顔でありながら、またたく間にランキング上位の常連モデルとなりました。

 2015年から2021年まで、軽自動車の年間新車販売台数で7年連続1位を獲得。さらに2022年も上期(1月から6月)、上半期(4月から9月)ともに1位を維持し、このまま2022年も年間1位を狙えそうな状況にあります。

 N-BOXは、これまでよりさらに車体の背を高く、そして四角くすることで広大な室内を確保。後席にはミニバンのような「スライドドア」を備えているのも特徴で、乗降性も良好なものとしました。

 加えてメイン価格帯は200万円以下と安く、それでいて実用性も高いというお得感が、長く続くデフレ時代にもマッチ。ワゴンRなどが取り込み切れなかったファミリー層も含め、より広い支持を集めています。

 4位のルーミーは小型車枠ですが、N-BOXなど軽スーパーハイトワゴンのヒット要因をそのままコンパクトカーに持ち込み2016年11月に誕生。同様にロングセラー作となっています。

 15年の時を経て、ユーザーは上位モデルからのダウンサイジングを加速させたスピード感は強烈で、2007年には販売上位だったフィットも、2022年は同じホンダのN-BOXに取って代わられてしまっているのです。

 なおコンパクトカーのノートは、2005年の時点ですでに初代が登場していましたが、ランキング上位の常連となるのは、この後2012年に登場する2代目以降の話となります。

※ ※ ※

 いまから15年前の2007年といえば、どのような年だったのでしょうか。

 政治の面では、夏に行われた参議院選挙で当時の野党であった民主党が圧勝。与党の自民党が歴史的な大敗となり、衆参で異なる「ねじれ」状態に。

 これを受け発足した第一次安倍改造内閣も、健康上の問題などを理由に当時の安倍晋三首相が辞任し、福田康夫内閣に受け継がれるなど、国内の政治的な混乱が続いていました。

 また2007年夏には、米国の不動産ブームを受け急速に普及した低所得層向け住宅ローンの不良債権化、いわゆる「サブプライムローン問題」が顕在化。その後の住宅バブルの崩壊によるリーマンショックへとつながる流れがこの頃から始まっていたのです。

 なお流行語大賞には、この年当選した当時の宮崎県知事、東国原英夫さんによる「どげんかせんといかん」と、史上最年少でツアー優勝を果たしたゴルファーの石川遼選手「ハニカミ王子」が受賞しました。

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