新型「犬顔」コンパクトミニバン「シエンタ」が販売絶好調! ただし納期は「1年待ち」も!?
2022年8月にフルモデルチェンジしたトヨタのコンパクトミニバン「シエンタ」は、先代のシャープなスタイルとは大きくデザインを変えたことでも話題を呼びました。大変革を図った事情について紹介します。
販売ランキング「2位」に躍進で好調な新型「シエンタ」だが
2022年8月末に約7年ぶりのフルモデルチェンジを実施したばかりのトヨタ 新型「シエンタ」が、好調な立ち上がりをみせています。
新型シエンタは、かわいらしい小型のミックス犬の通称「シエンタ犬」が登場するTVCMも話題ですが、この好調な売れ行きはどこまで続くのでしょうか。
11月7日、日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表した10月度の車名別ランキング(軽を除く)で、新型シエンタは2位にランクインしました。
販売台数は1万739台。発売直後の9月度は6位(7785台)で、順調に新型シエンタが納車台数を伸ばしていることがわかります。
また先代シエンタが販売されていた前年の10月に比べると実に242.8%の伸びを示しており、フルモデルチェンジ効果の高さもうかがえます。この勢いはどこまで続くのでしょうか。
首都圏近郊のトヨタ販売店に、新型シエンタの反響について聞いてみました。販売スタッフAさんは次のように話します。
「旧型シエンタの代替から新規のお客様まで、非常に反響が大きいです。
発表当初は、ガソリンモデルならグレードによってはまだ年内の納車も可能でしたが、もはやそんなことも言っていられなくなりました」
このように新型シエンタの注文が多く入っている状況だといいます。
トヨタの公式サイトには、車種ごとの「工場出荷時期目処」が掲載されていますが、2022年11月1日現在、新型シエンタの欄には「詳しくは販売店にお問い合わせください」との記載があるのみです。
トヨタでは同ページに「コロナ感染の拡大並びに世界的な半導体部品不足により、現在、多くの車種で生産遅れが発生しております」とお詫びのメッセージを載せています。
前出の営業スタッフAさんに詳しい納期をたずねたところ、困惑した様子で教えてくれました。
「同じシエンタでも、ハイブリッド車とガソリン車、さらに装備によっても納期目途が大きく変わってくるのです」
そもそも新型シエンタのカタログをみてみると、ユーザーの注意をひくように、黄色い枠で納期に関する但し書きが記されていることに気づきます。
新型シエンタには、ハイブリッド車、ガソリン車ともに「Z」「G」「X」の3グレードが設定されていますが、そのうち最廉価のXグレードには次のような記載があります。
「X(7人乗り)は、ハイブリッド車/ガソリン車ともに2023年4月以降の生産予定となります」
つまりグレードによっては、まだ生産すら始まっていないものもあるということです。
さらに主要装備一覧表にも、赤い枠に囲まれている一部のメーカーオプションを装着した場合、同様に2023年4月以降の生産予定との注意書きがありました。
営業スタッフAさんはこういいます。
「この記載のなかでも、前後方のドライブレコーダー(ETC2.0とセット)は納期がかかる傾向です。ハイブリッド車の場合なら、納車1年以上待つことになるとお伝えしています」
ただし1年とはあくまで目安だとも強調し、実際にはさらに伸びたり、逆に若干短くなったりということが他のモデルでは頻繁に起きているといいます。
販売現場では、納期の伝達にもかなり神経質になっていることがうかがえました。
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ちなみにAさんに他のミニバンについても聞いてみたところ、さらに驚くような答えでした。
「(2022年1月にフルモデルチェンジした)新型ノアに関しては1年待ちが基本で、メーカーオプション次第では再来年の春以降になるかもしれません」
つまり納期は早くても1年、装備によっては1年半! ということになります。
これまで、現在保有しているクルマの車検時期に合わせ、その期限の数か月前にクルマへの乗り換えを検討することはごく一般的なことでしたが、もはやそんな考え方は通用しないようです。
ライターさんは車のことよりまず右と左を覚えましょう。
「勢ぞろい」という言葉のニュアンスも勉強しましょう。