トヨタ新型「クラウンセダン」狙いの人がSUV風「クロスオーバー」も買っている!? セダン登場まで待てない事情とは

トヨタ新型「クラウン」は新たに4つのバリエーションを設定します。まずは2022年9月にSUVの新型「クラウン クロスオーバー」が発売されましたが、歴代クラウン(セダン)のオーナーは、のちに登場する新型セダンの登場を待つべきなのでしょうか。

正統派「クラウン」好きはセダン登場まで待つべきか否か?

 2022年7月に世界初公開されたトヨタ新型「クラウン」は、これと同じく「セダン」に加え、「クロスオーバー」「エステート」「スポーツ」という4つのバリエーションを設定することで話題となっています。

 新型クラウンの第1弾として、まずはクロスオーバーが2022年9月に発売。2023年にそのほかのモデルが順次登場することになっています。

2022年7月に世界初公開されたトヨタ新型「クラウンセダン」
2022年7月に世界初公開されたトヨタ新型「クラウンセダン」

 しかし、歴代のクラウンを愛用してきたユーザーにとっては、クロスオーバー化されたクラウンにまだ馴染めないという気持ちもあるのではないでしょうか。

 正統派クラウンを乗り継いできたユーザーは、新型クラウン クロスオーバーの購入を検討すべきなのか、それともセダンが登場するのを待つべきなのか考察してみます。

 新型クラウン クロスオーバーは、その名の通り、高められた最低地上高と大径タイヤ(上級グレードでは21インチ)を備えた、セダンとSUVが融合したようなスタイルとなっています。

 また、ボディカラーにもアグレッシブな2トーンカラーを用意するなど、従来のクラウンのイメージとは大きく異なる印象となりました。

 そして、縦置きエンジンと後輪駆動レイアウトを守ってきた従来のクラウンとは異なり、横置きエンジンと前輪駆動レイアウト(ただし全グレードで後輪をモーターで駆動するAWD)となっている点も、往年のファンからすると受け入れにくいといえるかもしれません。

 ただクロスオーバー風のスタイルをまとっているとはいえ、実際は従来のクラウンと同じく4ドアセダンのようなボディ形状となっており、前輪駆動レイアウトを採用したことによって後部座席の室内空間は従来モデルを凌ぐ広さを実現。

 さらには従来のクラウンらしい走りをしっかり踏襲しており、ターボエンジンを搭載する「RS」系モデルに至っては、後輪駆動のような後ろから押し出されるような走り味まで楽しめる仕上がりとなっていることから、もはや横置きエンジンや前輪駆動レイアウトベースというのはあくまで表面上のスペックに過ぎないともいえそうです。

 しかし、そうはいっても今後セダンが登場することがアナウンスされている以上、その登場を待ちたいという気持ちもあるでしょう。

 確定情報ではないにしろ、セダンは従来モデルと同じFRレイアウトが踏襲されるともいわれており、横置き前輪駆動レイアウトのクロスオーバーの評価が高いだけにセダンへの期待も高まります。

 では、従来型のクラウンファンはクロスオーバーを購入すべきなのか、セダンの登場を待つべきなのかという点についてですが、首都圏のトヨタディーラー販売スタッフによると、歴代クラウンを乗り継いでいるユーザーのなかには、ひとまずクロスオーバーを注文し、セダンが登場するまではクロスオーバーを乗るという選択をする人が意外と多いといいます。

 この部分だけ聞くと、かなりのセレブリティな感じも受けますが、販売スタッフによると「世界的な半導体不足などの影響によって新車全体の納期が遅れているため、クロスオーバーを購入してセダンが登場するまで1~2年乗ったとしても下取り額が大きく下がることはないでしょう」とのこと。

 そう考えると、今乗っている従来モデルのクラウンをセダンが発売されるまで維持するために車検を継続したり、タイヤなどの消耗品を交換したりといったコストを考えると、セダンが出るまでのつなぎとしてクロスオーバーを乗ったとしても、コスト的には大差がないともいえそうです。

「セダンが出てから、“やっぱりこれじゃなかったな”と思ってクロスオーバーを注文しても、納車までかなりお待ちいただくことになります。

 しかし、先にクロスオーバーに乗られていれば、新型のセダンがピンとこなくてもクロスオーバーを乗り続けることができますから、損をすることはないのではないでしょうか」(前出の販売スタッフ)

 確かに前例のないほど長納期となっている現在の状況を考えると、“待ち”の姿勢では乗り時を逃してしまう可能性も高いでしょう。

 もしかすると、クロスオーバーもセダンも購入するという“攻め”の姿勢で新型車に向き合うほうが、結果的にプラスに作用するのかもしれません。

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Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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