「触ったことない!?」 給油時の「黒いゴム」は何に使う? 身近になった「セルフ給油」は油断禁物! 実際に気をつけるべきコトとは

最近ではセルフサービスのガソリンスタンドが増えており、自身で給油する機会も多くなっています。そのため給油が火気を扱う危険な行為という認識が薄れているという声もあります。では、セルフ給油時に気をつけたいコトにはどのようなものがあるのでしょうか。

 秋から冬になるにつれて、乾燥しやすくなる時期となります。金属製の物などに触れた際に「バチッ」とくる現象は誰でも経験するかもしれません。
 
 一方セルフサービスでクルマにガソリンを給油する際、静電気を除去するための黒いパッドに触れるようアナウンスされます。
 
 では、給油時に静電気を除去する意味にはどのような理由があるのでしょうか。

セルフ給油時には必ず「静電気除去シート」に触れてから給油すること! これ絶対!
セルフ給油時には必ず「静電気除去シート」に触れてから給油すること! これ絶対!

 1998年4月に解禁されたセルフサービスのガソリンスタンドですが、それ以前まではユーザー自身が給油することは出来ませんでしたが、定められた安全対策をおこなうことを条件に解禁され急速に普及します。

 消防庁によれば全国のガソリンスタンド数は、2006年時点で従来のフルサービスが4万1502施設、セルフサービスが4870施設となっていたものの、約10年後となる2017年ではフルサービスが2万2406施設と減少する一方でセルフサービスは9715施設と増加しました。

 また2022年現在では、街中で見かけるガソリンスタンドの多くでセルフサービス化されている光景が一般的になっています。

 しかしながら、解禁後の2001年にはセルフサービススタンドにおいて給油中に静電気が原因と考えられる火災の発生したほか、2007年にはフルサービスよりもセルフサービスのほうが火災事故発生割合が高いことが調査によって判明したことで安全対策が強化されました。

 これにより近年ではセルフサービスにおける火災発生事故は減少傾向にあるものの、依然としてフルサービスと比べると火災事故の発生割合は高いといいます。

 そのなかでもとくに、冬場の給油には注意が必要です。

 ガソリンはマイナス40℃という低温でも気化する非常に揮発性の高い物質で、ガソリンが気化したときの空気と比較したときの重さを表す「蒸気比重」は「3から4」となり「1より大きい=空気より重い」ことを示しています。

 そして乾燥しやすい冬場では、「乾燥」と「摩擦」によって静電気が発生しやすくなります。そのため金属製の物などに触れる(近づく)際にパチッと軽い感電の状態となり、この状況ではわずかに火花が発生しているため、ガソリンに着火する恐れがあるのです。

 こうした静電気による火災発生の対策として設けられているのが、セルフスタンドにある黒い物体の「静電気除去パッド」と呼ばれるもので、人体に帯電している静電気を除去する役割をもっています。

 セルフスタンドにおける給油方法について、首都圏のガソリンスタンドのスタッフは次のように話しています。

「給油は、必ず素手でおこなってください。これは手袋をしたまま静電気除去パッドに触れても静電気が除去出来ないことや、ノズルの誤操作を防ぐためにです。

 実際に過去には手袋をしている状態だったため火災が発生した例があると聞いたこともあります。

 また、静電気除去パッドは長い時間や何度も触る必要はなく、ワンタッチで放電することができます」

※ ※ ※

 気化したガソリンは空気よりも比重が重いため地面に滞留しやすいという特徴があり、液体に触れていないのに引火したといった火災事例も過去にはあったことから、セルフサービスが定着してはいるものの給油時には注意が必要です。

【画像】この「黒いゴムの使い方」知ってます? 給油前に必ず触る場所を見る!(11枚)

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1件のコメント

  1. レンタカーを配車する時に、給油口までいっぱいにするように指示されていますが危険ですか?

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