なぜ「チャイルドシート」の一部製品が生産終了!? 親が知るべき安全基準「R44」と「R129」の違いは? 2023年9月以降に規制変更へ

2000年に日本でチャイルドシートの使用が法律で定められてから、20年が経過します。チャイルドシートの安全性も向上し、着用率も向上していますが、それでも誤った使い方をしているケースも多いといいます。正しく着用するには、どのようなことに気を付けたらよいのでしょうか。

チャイルドシートの国連基準「UNECE R44/04」は2023年8月末で生産終了

 2023年9月1日から日本で販売されるチャイルドシートの安全基準に変化があるようです。
 
 子供の安全を守る重要なチャイルドシートに、どのような変化があるのでしょうか。

チャイルドシートにはさまざまな安全基準が存在するが…今後はどうなるのか?
チャイルドシートにはさまざまな安全基準が存在するが…今後はどうなるのか?

 現在、日本で使用が認められているチャイルドシートは国際的に統一された基準(国連欧州基準UN-ECE)を満たした製品となっています。

 基準に適合したチャイルドシートには、通称「Eマーク」と呼ばれるオレンジ色のラベルが貼り付けられています。

 具体的には以下のいずれかを満たしている製品になります。

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 1)ECE R44/04(乳児用・幼児用・学童用に分かれて兼用タイプもある。体重を目安に選ぶ)

 2)ECE R129(乳児用i-Sizeでは生後15か月未満または身長76cm超までは後ろ向きがマスト。身長を目安に選ぶ)
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 これらの安全基準を満たしていないチャイルドシートは日本での流通(出荷)はできません。

 そして、現在2つある基準は2023年9月1日からR129のみとなり、国土交通省自動車局車両基準・国際課によると「R44については2023年8月末で生産(出荷)終了となり、輸入品の場合も8月末までに現地で生産されたものだけが日本市場への出荷が許されます」とのことでした。

 では、チャイルドシートを使う側にはどんなルールがあるのでしょうか。

 道路交通法第71条の3第3項にてチャイルドシート(=幼児用補助装置)について以下のように規定されています。

「幼児用補助装置は幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であって、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう」

 このなかの「道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合」とは要するに保安基準に適合した製品のことなので、ユーザーは「ECE R44またはR129に適合し幼児の体に合った形状のチャイルドシートを使用する」ことになります。

 そのため、2023年9月1日以降であってもR44製品はそのまま使用可能なうえ、新たにR44製品を購入しての使用も問題ありません。

 ただし、R44製品は製造からすでに10数年経過しているものもあり樹脂の劣化などに注意が必要です。

 リサイクルショップやフリマサイトなどで購入する場合はとくに、素性がわからないものが多いためチャイルドシートメーカーが推奨する使用期間(5-10年)を過ぎている場合は使用を控えたほうがよさそうです。

※ ※ ※

 2012年7月1日よりR44に完全移行しており、その際にはそれまで許可されていた国交省基準「自マーク」がついたチャイルドシートの出荷は終了しました。

 それから11年経って2023年9月1日からは、今度はR44が完全終了し、R129の製品のみが製造・出荷を許可されることになります。

 なお、R129製品はすでに日本でも数年前から販売されており、国内ブランドではアップリカが最初にR129を取得。海外製含めてさまざまなR129製品の販売が始まりました。

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