「オービス…じゃない!?」 よく似た「Nシステム」何する機械? 双方を見分ける方法とは
道路を走っていると、道路の上部に設置された箱のような機械を見かけることがあるでしょう。この機械はスピード違反を取り締まる「オービス」ではなく、「Nシステム」と呼ばれる機械かもしれません。ではNシステムとは何する機械なのでしょうか。
「Nシステム」って何する機械?
クルマで道路を走っている際、道路の上部に設置された箱のような機械を見たことがある人もいるかもしれません。
スピード違反を取り締まるオービスかと思っていたら、実はNシステムだったということもあります。
Nシステムとオービスはそれぞれ混同しやすい装置ですが、Nシステムとはどのような機械なのでしょうか。またそれぞれ違いはあるのでしょうか。
Nシステムは、正式名称を「自動車ナンバー自動読取装置」といい、自動車を使った犯罪や自動車盗難の犯人を検挙する目的で、通過する自動車のナンバーを自動的に読み取り、手配されている車両のナンバーと照合するシステムです。
警察庁の資料では、Nシステムは1986年度から導入。現在は全国の高速道路や国道などの道路に1500か所以上に設置されています。
仮に手配されている盗難車両がNシステムの前を通過すると、その情報が警察に知らされ、犯人を捕まえる手がかりとなるのです。
ただし、Nシステムは原則自動車を使用した犯罪や自動車盗難などの捜査にのみ使用されるため、日常の運転でNシステムを通過したとしても、スピード違反などで取り締まりを受けることはありません。
その一方で、スピード違反の車両を取り締まるのが固定式のオービスです。
オービスの正式名称は「速度違反自動取締装置」といい、一定の速度以上で走る車両を感知すると、自動で写真撮影し記録化することが可能です。
オービスには「固定式」と「移動式」の2種類があり、道路の上部や脇に設置されているものを固定式オービス、持ち運びが可能なものを移動式オービスと呼んでいます。
固定式オービスで撮影された画像には、クルマのナンバーや車種、ドライバーの顔などがハッキリと写るため、警察官がそれらの情報をもとにスピード違反を捜査し検挙します。
固定式オービスも高速道路や国道など、全国のあらゆる道路に設置されています。
このように、Nシステムと固定式オービスは同じような場所に設置されていますが、実はそれぞれ特徴が異なります。
まずNシステムは、多くの機能からなる装置であることが過去の裁判資料から判明しています。
例えば、走行中の車両の位置を検知する「位置センサー」と呼ばれる機能や、車両を撮影する機能、撮影した画像の中からナンバープレートのみを切り出す機能などがあります。
さらに、切り出したナンバープレートの画像から車種や一連番号など文字を認識し、読み取った車両ナンバーを手配車両と照合する機能なども備わっています。
対して固定式オービスは、車両を感知する部分、スピード違反車両を撮影する部分、スピード違反車両に対して発光する部分などが備わっていますが、Nシステムのように手配車両とナンバーを照合する機能は備わっていません。
また見た目でいうと、Nシステムと固定式オービスはどちらも四角い箱のような形をしていますが、Nシステムは比較的装置がコンパクトであることが多いのに対し、固定式オービスは赤外線ストロボとカメラ部分が分かれて設置されているタイプや、レーダーを照射する白い板のような装置が目立つものもあるなど、見た目が若干異なります。
これってよくよく考えたらオービスは交通警察で、Nシステムは捜査、警備、公安辺りで管轄も違うのだろうな。