四駆が主力のスバルが新型SUVに2WD設定!? 新型「クロストレック」に前輪駆動が必要な訳

オフロードは行かないけどアウトドアなSUVが欲しい人にピッタリ?

 新型クロストレックにFWDを設定することに関連して、「アメリカで、クロストレックやフォレスター、アウトバックなどで本格的なオフロード走行する人はそんなに多いのですか?」とスバル商品企画関係者に聞いてみました。

 すると「はい、けっこう多くいます」とはっきり答えてくれました。

スバル新型「クロストレック」
スバル新型「クロストレック」

 いわゆるライフスタイル系ファッションアイテムとして、ちょっとアウトドアっぽいからスバルのAWDを買うというだけではなく、やはりスバルAWDユーザーの本質はオフロードにあることが改めて分かりました。

 だからこそ、それとは逆の発想として「オフロード走行までは必要ないけど、アウトドアっぽい雰囲気も楽しめるこのサイズ感のSUVが欲しい」というユーザーにとって、FWDの新型クロストレックが“はまる”可能性があるのでしょう。

 一方で、日本の場合、アメリカと比べると気軽に行ける本格的なオフロードは少ないですし、最近流行りのオートキャンプ場でもAWD車が必須となるような路面状況になるケースはあまり多くないはずです。

 そうなると、日本市場での新型クロストレックでは、若いユーザーを中心にFWDの需要がさらに高まる可能性があるのではないでしょうか。

 その上で、気になるのは新型クロストレックのFWD車の走り味でしょう。

 実際に、プロトタイプでFWD車とAWD車を乗り比べてみましたが、当然ながら乗り味やハンドリングには差を感じます。

 FWD車は重量が軽いために動きの軽快さがありますが、スバルの真骨頂である低重心で粘り感のある走りを体感できました。

 ハンドリングについては、直進安定性を重視している印象があり、ワインディング路では操舵角度(ハンドルを切る量)を少し多めにしてみたところ、クルマ全体の粘り感を強く感じることができました。

 日本でもアメリカと同様に、新型クロストレックのFWDをきっかけに、スバルらしさを体験する若いユーザーが増えることが期待されます。

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。

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