無理に進入しちゃダメ! 遮断機の棒をへし折って億単位の弁償も!? 踏切事故時に取るべき行動とは
全国には線路と道路とが交差する「踏切」が数多く存在し、遮断機が鳴っているのにクルマや自転車、歩行者が進入して遮断機の棒を破損する事故が発生。棒を壊してもそのまま放置して走り去ってしまうことが多いようです。
依然として多い踏切の遮断棒破損
全国には、線路と道路とが交差する「踏切」はまだ数多く存在しています。
そんな踏切で意外と多発しているのが、列車が近付いてきて遮断棒(遮断桿)が下りているのに、車両や自転車や歩行者が無理に通行して遮断棒を折ってしまうこと。
場合によっては遮断棒の破損に気付かぬまま、もしくは気付いていても知らんぷりして走り去ってしまうことも多いようです。
遮断棒を折ってしまったらどうなるのでしょうか。
鉄道の線路と道路とが交差する踏切には、ほとんどの場合、列車の通過に合わせて道路の交通を一時遮断する遮断機が設置されており、列車が近付くと遮断棒が下りて列車の通行を優先させるようになっています。
道路交通法における踏切関連の違反には次の2項目が該当します。
まずは「踏切不停止等」です。道路交通法第33条第1項では「踏切を通過するときは、踏切直前(ある場合は停止線)で一時停止し安全を確認してから進行すること」となっています。単に一時停止するだけでなく、安全確認が必要なのがポイントです。
もうひとつは「しゃ断踏切立ち入り」で、遮断機の警報が鳴っている間は踏切内に立ち入ることを禁止するものです。遮断機の警報が鳴り始めた時点で進入してはいけないと道路交通法第33条第2項に記載されています。
ただ、実際には遮断機の警報が鳴っても無理やり渡ろうと進入するクルマや自転車、歩行者などが多く、渡り切る前に遮断棒が下りてしまい、結果として遮断棒を破損させてしまうという事態が多発。
もっとも鉄道事業者も遮断棒の破損への対策を進めており、棒の材質をより高強度にしつつ、先端部や中央部に「屈折ユニット」と呼ばれる、押されると斜め上方に稼働する「折損防止器」を組み合わせた折れにくい遮断棒を徐々に導入しています。
踏切の通過の正しい手順について、都内の教習所で勤務経験のある元教官に話を聞いてみました。
教習所内の第一段階で習う、「踏切の前では必ず一時停止、左右の安全を確認してから一気に通過」が基本ということは間違いありませんが、実際には踏切を通過するタイミングで遮断機が動き出してしまうこともあります。
そんなときは遮断棒をゆっくりと押しながら踏切から脱出するのが正解だといいます。
「踏切内にとどまって列車と接触事故を起こすより、遮断棒を折ってでも脱出して命を守るほうが大切です。
諸事情により遮断棒を折ってしまった場合は、まずは踏切内からの脱出が原則ですが、無事脱出したのちに折れた遮断棒が列車や後続車の通行の妨げにならないようにすることが必要です。
そして遮断機などに記載されている連絡先(鉄道事業者や管理会社)に一報を入れて、指示を待ちましょう」(教習所元教官)
踏切内で列車と接触して大惨事を引き起こすより、遮断棒を破損してでも脱出するべきですが、そもそも、遮断機が鳴り始めたら踏切内に進入してはいけません。
渡った先の道が渋滞していることなどもありますが、自車が進めるスペースがあるかどうかきちんと見極めたうえで踏切内に進入しましょう。
この記事には、重要な記載が抜けています。
踏切支障には道路交通法違反より重い、列車往来妨害に問われる場合があるという事。
道路交通法違反だけでは、「そのぐらい」という甘い考えを持つ人間が必ず発生しますよ。
JR貨物(日本貨物鉄道株式会社)曰く。列車と事故るくらいならバーくらいへし折ってOK。乗用車くらいなら折れずに曲がるものもある。
実際に、冬になると踏切でスタックするなんてことはあるんですよ。特にトラックだと。
カーブで傾斜つき。踏切が谷に。逆に踏切が山になっているところも。過去の踏切のバー損傷では、請求されたこともあるし、無かったこともある。保線区の違いにも依るんだろうけど。請求金額はバーだけだったので十数万円だったかと。