踏切の「無理な横断」1日あたり「1万人以上」影響の地域も!? ドライバーも注意すべき「踏切の通行マナー」とは

クルマの踏切内での立ち往生はたびたびニュースで報じられることがあります。ではクルマが踏切でトラブルを起こすことでどれくらいの影響があるのでしょうか。また事故を起こさないためにもどういったことに注意すべきなのでしょうか。

1日「1万人以上」に影響の地域も!? 気をつけたい「踏切通行」のマナー

 クルマが踏切内で立ち往生してしまい、列車と衝突したというニュースが報じられることがあります。

 では、クルマを運転している際に踏切内での事故に遭わないためにはどのようなことに気を付ければ良いでしょうか。

踏切の「無理な横断」その危険性は(画像はイメージ)
踏切の「無理な横断」その危険性は(画像はイメージ)

 内閣府の鉄道交通事故の動向の資料によると、2019年中の踏切事故の件数は208件で、そのうちクルマと列車が衝突した事故は79件と、全体の約38%を占めていることが明らかになっています。

 JR西日本の場合では、踏切障害事故は年々減少傾向にあるものの、2021年度では17件発生。そのうちクルマの踏切障害事故は10件を占めます。

 また、17件中13件が無理な横断によるものということです。

 仮に事故にならなかったとしても、列車などに遅れが生じる「踏切支障」が発生する可能性も。

 JR西日本によると、2021年度の踏切支障を平均したとき、1日あたり約3本の列車が運休、約50本が遅延。1日あたりの影響人数は約1万1000人にのぼると説明しています。

 このように、列車通過前に踏切を無理に横断しようとすることで、衝突事故の危険性のほか、幸い事故を防ぐことができても、列車を利用する多くの人に影響が及ぼすということが分かります。

 ではクルマで踏切を渡る際、ドライバーはどういった部分に気をつけて運転すると良いのでしょうか。

 まず踏切を通過する時には、遮断機の有無にかかわらず、踏切の直前で一時停止して周囲の安全確認をおこなうようにしましょう。このことは道路交通法第33条第1項で定められています。

 周りの安全確認をするときは、自分の目で見るほか、列車が近づいてきていないか、警報器が鳴っていないかなど音を確認することも大切です。

信号機のある踏切で、その信号に従う際は停止せずに進行できますが、この場合でも安全確認を怠らないようにしましょう。

 また道路交通法第33条第2項には、「車両等は、踏切を通過しようとする場合において、踏切の遮断機が閉じようとし、もしくは閉じている間または踏切の警報器が警報している間は、当該踏切に入ってはならない」と定められています。

 このため急いでいるなどの理由があったとしても、遮断機が降り始め、警報器が鳴っているときには踏切内に進入しないようにしましょう。

 それぞれ上記の道路交通法に違反した場合、第33条第1項は「踏切不停止等違反」に該当し違反点数2点、普通車で反則金9000円が科される可能性があります。

第2項は「遮断踏切立入り違反」が成立し違反点数2点、普通車で反則金1万2000円が科される可能性があるため、踏切を渡る際は十分に注意しましょう。

 このほか踏切事故を防止するためには、前方を走っているクルマとの距離を空けるなどして踏切内にとどまらないことを意識することが大切です。

 前方のクルマとの距離を詰めて踏切内に進入してしまうと、前方のクルマが進まなかった場合に踏切内で待機するような状態になってしまい大変危険です。

 前方のクルマとの距離、そして前方のクルマの進行状況などをよく確認し、状況に応じて踏切の手前で待機することを心がけましょう。

 このことは道路交通法第50条第2項で定められており、前方の車両の状況により踏切内などで停止するおそれがある場合は、それらの場所に入ってはならないとされています。

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