事故ったアルファードの修理に100万円!? 運転支援システム搭載車「バンパー交換」が簡単にできなくなった訳
高度な技術の搭載で修理費が跳ね上がっている現状
運転支援システム搭載車がバンパーなどを交換する場合、どんな調整が必要になるのでしょうか。
「現在、多くのクルマがエンジンをコンピュータで制御しており、2024年から『OBD(車載式故障診断装置)』を用いた車検になると国土交通省より通達されています。
OBDでは、保安基準項目で人の目では確認しにくい不具合を検知しますが、そのためにはクルマと通信ができ『特定DTC(故障コード)』を照会するアプリをインストールした法定スキャンツールが必要です。
このツールで不具合が検知された場合や、エーミングターゲットと呼ばれる運転支援システム専用の検査をおこなっていないと、車検に受からなくなってしまうといいます」(H整備士)
エーミングターゲット作業をするためには、国が実施する「電子制御装置整備の師備主任等資格取得講習」を受講し、試験によって習熟度を一定以上クリアする必要があるそうです。
「簡単にいえば、ミリ波レーダーを検知するセンサーやカメラの角度調整なども有資格者が決められた方法で検査しないとダメということです。
正しいポジションに設置されるだけでなく、設定された標的(ターゲット)に対して正確に反応するかを確認する作業になります。
まだ弊社でも具体的な工賃は見えてきませんが、単なるバンパー交換費用では済まなくなるでしょう」(H整備士)
実際、運転支援システム搭載車が追突事故などを起こしてしまうと、単純にバンパーだけでなく、さまざまなパーツの交換が必要になるのだそうです。
「先日、現行型『アルファード』(HV)が追突してしまったとのことで、修理依頼が来ました。
バンパーカバーやラジエーターグリル、カバー、グリルロア左右のグリル、アブソーバロア、エネルギーアブソーバなど大きめの周辺部品だけでも約20万円。
さらにヘッドライトが両方で50万円以上、さらにエーミングなどの検査が加わり、総額で100万円オーバーという金額になってしまいました。
これまでのように、カラードバンパー交換や補修できるパーツはそのまま生かすといった修理では済まなくなっています」(H整備士)
アルファードは高級ミニバンとはいえ、追突事故で100万円オーバーの修理費は厳しいものがあります。クルマの高度化により、車両価格だけでなく修理代も軒並み値上がりしているといえます。
「最善策は、周囲のクルマと十分な車間距離を保つことぐらいです。高度なシステムですが、やはり車重のあるクルマは路面状況などによって性能がフルに発揮されない可能性もあります。
こちらとしてもあまりに高額な修理代は気の毒になってしまいます」(H整備士)
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高性能な運転支援システム搭載車は修理代も高価になってきており、かつ整備費用も高額になってきています。
運転支援システムは非常に有益ですが過信することなく、自ら安全運転を心がけることで、高額な修理費を回避したいところです。
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