トヨタ「アルファード」「ランクル」が“新車価格超え”!? 中古車人気「爆上がり」 相場異常高騰の裏側とは

新車の納期遅れなどの複合的な理由により、新車価格を超えるほど中古車相場の異常な高騰が続いています。その事情の裏側についてレポートします。

納期待ちの「ランクル」や「GT-R」が売れていても増産できない事情

 新型コロナ禍など複合的な影響で発生した世界的な自動車部品の供給不足が、過去にないほどの新車の納期遅れにつながっています。

 こうした「特殊事情」も重なり、中古車業界が今までに無いほどの大揺れとなっています。

 新車より高い中古車など当たり前で、1年前より100万円以上流通価格が上がっている車種だってザラにあります。

 なかでも相場が赤丸急上昇中なのは、カーボンニュートラルによって絶版確実な車種や、ウクライナ問題で生産遅滞が続く輸入車、納期の長いトヨタ車などだといいます。

 中古車相場の異常高騰とその理由について、いくつかの事例ごとに紹介しましょう。

現在、入手難による中古車相場高騰が生じているトヨタの人気高級ミニバン「アルファード」[画像はイメージです]
現在、入手難による中古車相場高騰が生じているトヨタの人気高級ミニバン「アルファード」[画像はイメージです]

 中古車相場高騰の典型的な例は、昨年2021年にデビューしたトヨタの「ランドクルーザー」(ランクル300)です。

 ランクル300は発売と同時に注文が殺到し、またたく間に「納期4年」ともいわれるほどの人気ぶりとなりました。

 直近のランクル300の中古車相場を見てみると、新車で消費税込み価格が630万円の「VX」グレードで、1300万円ほどまでに吊り上がっています。

 他のグレードもおしなべて2倍以上もしていて、一時期は2000万円以上の売り物も出ていたほどです。

 常識的に考えたら、売れるのが解っていれば最初からたくさん生産すればいいのに、と思うことでしょう。

 なぜ造らないかというと「売れなくなる時期」が見えているからです。

 環境問題の盛り上がりにより、燃費規制や騒音規制など、2026年あたりから急速にエンジン搭載車に対するハードルが高くなります。

 一般的に規制強化は新型車から適用されるのですが、次世代の燃費規制や騒音規制は継続生産車にも適用されます。

 つまり現在販売している車種も、規制強化により登録出来なくなってしまうのです。

 もっといえば、ランクル300の場合、すでに様々な規制をクリア出来なくなっており、法規的に販売出来るのは中東とロシア、日本くらいのものです(ロシアについては、無期限の輸出凍結中にあります)。

 前述の通り、販売出来る”締め切り”も決まっているため、今から車体組み立てやエンジンの部品に代表される生産ラインを増やしても、投資分を回収出来ないことから、トヨタとしても対処法が無いのです。

 同じようなことが日産の「GT-R」や新型「フェアレディZ」、ホンダ「シビック タイプR」のような少量生産車にも当てはまります。

 これらも「増産すればいいじゃないか」と思うところでしょうが、新しい生産設備を造っても、2027年には全て使えなくなってしまうのです。

 はたまた、たくさん造ることができるようになったら希少価値が薄くなり、皆さんもさほど買わなくなるかもしれません。

 そんなことで現在、入手難による中古車相場高騰が生じています。

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1件のコメント

  1. えっマジ?
    俺ジェイドの後期型RSに乗ってるんだが、買取価格上がっているのか…
    ちょいちょい気になる部分はあるけど良い車だよ!
    多人数で遠出する機会が多い人には是非ともおすすめしたい。後席が本当に快適だから。

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