子どもの「車内放置」どう防ぐ? 親が意図的に「毛布で隠す」事案も!? 相次ぐ悲惨な事故、社会で必要な取組みとは
悲惨な幼稚園バス置き去り事件… 社会全体で子どもを守る仕組みが重要か
巡回を担当する知的障碍者の二人は、本当に1台1台、時間をかけて丁寧に駐車場にとまっているクルマを確認していました。
施錠された車内に危険な状態の子どもを見つけたときには、保護者を探すのと同時に消防と警察にも通報。
一刻を争うような場合は店舗の判断で窓ガラスを割って子どもを救出することも消防署から許可を得ているそうです。
「店舗では車種やナンバーを書いた紙をメモで書いてお客ひとりひとりに見てもらって保護者を探しています。
なかには、子どもを車内に放置している保護者がパチンコ店ではなく、近隣の商業施設などにいる場合もあり、そのようなときには近隣の施設の協力を得て探すこともあります」(SAP草加店巡回担当者)
全国のパチンコ店でおこなわれるこのような巡回活動によって車内放置による子どもの死亡事故は2018年からゼロが続いているのです。
子どもにとってもっとも安全なはずの幼稚園や保育園の送迎バスのなかに置き去りにされ、大人の見落としによって幼い命が奪われる悲惨で腹立たしい事故が2021年、2022年と相次いでいます。
この状況を受け政府は全国の自治体や教育委員会などに安全管理徹底の通知を出し、全国の通園バスの点検を行うことなどを発表しました。
民間の業者からもAIを使った監視システムやQRコードによる降車確認システムなどさまざまなアイデアが出されています。
これら最新デバイスによって子どもの命が守られることは多いに期待したいものです。
しかし意図的に車内に放置された子供でさえも絶対に見つけ出して保護し、保護者にその危険性を伝え、2度と連れてこないことを約束して退店を促す。
業界全体で、社会全体で絶対に子どもを守ろうとするパチンコ店の活動からも、学ぶべきことはたくさんあると筆者は考えます。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
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