子どもの「車内放置」どう防ぐ? 親が意図的に「毛布で隠す」事案も!? 相次ぐ悲惨な事故、社会で必要な取組みとは
子どもにとって安全なはずの幼稚園や保育園の送迎バスのなかに置き去りにされ、大人の見落としによって幼い命が奪われる事件が相次いでいます。その一方で全日本遊技事業組合連合会では、「子どもの車内事故未然防止活動」を実施し、近年では死亡ゼロを達成しているといいますが、子どもの車内放置にはどのような対策がおこなわれているのでしょうか。
全国のホールの努力により5年間駐車場での子ども死亡事故ゼロ
近年、幼稚園バスの車内に置き去りにされ、大人の見落としによって幼い命が奪われる悲惨な事故が相次いでいます。
その一方で、意図的に置き去りにされるケースも存在するといいますが、どのような背景があるのでしょうか。またそうした状況への対策はあるのでしょうか。
かつて、毎年のように報告されていたパチンコ店駐車場での子ども車内置き去り死亡事故が、2018年度から「ゼロ」になっているといいます。
それまでは、遊技中の保護者によって車内放置され熱中症などによる死亡事故が相次いでいましたが、2018年から4年経過した現在まで車内放置による死亡事故はゼロが続いています。
この状況には全国のパチンコ店7637店が加盟する全日遊連(全日本遊技事業組合連合会)を中心としたパチンコ団体が一丸となって取り組んできた「子どもの車内事故未然防止活動」が大きく貢献しています。
全日遊連広報担当者はその始まりを以下のように話します。
「ホール駐車場での死亡事故が相次いだ平成16年6月15日に警察庁から『駐車場における児童の車内放置事案の防止』について要請がありました。
全国の組合員に対し『ホールにおける子供の事故防止対策』の再徹底について通達しました。
翌平成17年から『子どもの事故防止対策強化期間』(GWから10月末+年末年始)『子どもの事故防止対策特別強化期間』(7月から8月)を策定し、組合員ホールへの徹底を継続しています。
熱中症の危険が高まる暑い時期以外も年間を通じて活動はおこなわれており、無施錠のクルマに子どもを放置することによって誘拐などの犯罪や交通事故に巻き込まれる危険も排除しています」
その結果、2017年の死亡事故を最後に約5年間死亡事故ゼロが続いており、直近5年間で車内放置されていた合計447名の子ども(18歳未満)を保護し、事故を未然に防いでいます。
2017年:104名
2018年:130名
2019年:135名
2020年:45名
2021年:33名
全日遊連の加盟店では駐車場の定期的な巡回のほか、幼児の事故防止の取組みの一環として、事故防止ポスターの掲示、店内アナウンスや駐車場での定期的なアナウンスをおこなっています。
また、駐車場を利用するお客に対しても車内で放置されている子どもを見つけた場合は「店のスタッフにすぐに連絡してもらうようお願いをしています」といいます。
実際、来店客が車内で放置された子どもの泣き声に気づいて即座に連絡、救出された例も少なくありません。
なお、子どもを車内に放置することや自宅などに放置することは「児童虐待の防止等に関する法律」(平成12年法律第82号)において禁止されています。
さらに同法律では「発見した者すべてが児童相談所等に通報の義務がある(第5条)」とも定められています。
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